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韓国大統領選「対米重視の尹錫悦氏 対日問題は国際論争に」 木村幹・神戸大教授(韓国政治)

韓国大統領選で保守系最大野党候補の尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長が勝利したことは、革新系の文在寅(ムン・ジェイン)現政権で社会への不満をもつ国民が、政権交代を望んだ結果だ。しかし、今回の大統領選はこれまでのように経済成長戦略や南北問題など重要な政策論争がほとんどなく、5年後、10年後の韓国の将来像を示せなかった。

10日未明、韓国大統領選で勝利し、支持者の前で手を挙げる「国民の力」の尹錫悦氏=ソウル(AP)
10日未明、韓国大統領選で勝利し、支持者の前で手を挙げる「国民の力」の尹錫悦氏=ソウル(AP)

選挙戦はネガティブキャンペーンに終始し、国民の保守派、革新派の分断を顕在化させた。大接戦となったのは、深刻な就職難で将来に危機感を抱く若年層向けの政策を、双方とも打ち出せなかったためだ。

次の課題は国民的統合と和解になる。しかし、保革対立に加え、尹氏は(女性家族省の廃止を掲げるなど)ジェンダー問題に触れたことで、20代にジェンダーの対立をもたらし、社会の分断が広まっていくことが懸念される。国会は革新系が多数派を占め、今後、首相指名も難航が予想される。政策を実行に移せなければ、国民の支持率が低迷するおそれもある。

外交・安全保障政策は新政権で大きく転換する。尹氏を支える外交安保ブレーンは、李明博(イ・ミョンバク)政権でオバマ政権との関係を構築した実績がある。韓米関係を強化し、米国の対北政策にも影響を与える可能性がある。

安全保障面では日米韓関係を重視するが、いわゆる徴用工や慰安婦訴訟問題への対応は別だ。原告による企業資産の現金化が迫る「徴用工」訴訟では、まず韓国政府による代位弁済案を進め、最終的に仲裁委員会や国際司法裁判所に持ち込むことも想定される。その場合、日本は国際社会で請求権の法的解釈をめぐって議論を迫られることになる。


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