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「停戦めぐる進展なし」ロシア、ウクライナ外相会談

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ラブロフ露外相とウクライナのクレバ外相が10日、トルコ南部アンタルヤで侵攻後初めて会談した。両者は会談後、別々に記者会見し、クレバ氏は「停戦をめぐる進展はなかった」と述べた。一方、ラブロフ氏はウクライナに停戦条件をすでに提示し、「回答を待っている」と述べた。双方の主張の隔たりは大きく、市民退避も難航している。

10日、トルコ南部アンタルヤで会談するロシアのラブロフ外相(左端)とウクライナのクレバ外相(右端)。中央はトルコのチャブシオール外相(ゲッティ=共同)
10日、トルコ南部アンタルヤで会談するロシアのラブロフ外相(左端)とウクライナのクレバ外相(右端)。中央はトルコのチャブシオール外相(ゲッティ=共同)

戦闘が続くウクライナ各地では9日、民間人を退避させる10経路の「人道回廊」が設けられたが、退避に成功したのは一部にとどまった。クレバ氏は会談で人道回廊の安全性を保証するよう求めたが確約は得られなかったと述べた。

露軍は同日、回廊が設けられた東部マリウポリの産科・小児科病院を爆撃し、子供を含む3人が死亡、17人が負傷した。ラブロフ氏は「病院には女性や子供はおらず、武装した過激派の管理下にあり、患者もいなかった」と述べて反論した。マリウポリは約10日間にわたって露軍に包囲され、ウクライナ側は死者が1千人を超えたとしている。

またクレバ氏は、ロシアが制圧したウクライナ北部のチェルノブイリ原発(操業停止済み)と南部のザポロジエ原発の2施設についてもラブロフ氏に説明を求めたもようだ。

ウクライナ国営エネルギー企業は9日、チェルノブイリ原発で停電が起きたと発表。予備電源が作動しているものの、48時間しかもたないとの見方もある。国際原子力機関(IAEA)は同日、ザポロジエ原発から核物質監視システムのデータ送信が途絶えていると発表していた。

ロシアはこれまで、ウクライナの非軍事化や政権排除を意味する「非ナチス化」が停戦の前提だと主張。2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島へのロシアの主権を認めることも要求してきた。

ラブロフ氏は会見で、欧米諸国がウクライナに殺傷兵器を送って「危険なゲーム」をしていると非難。欧米が厳しい制裁を次々とロシアに科したことを受け、「これからは決して欧米に依存しようとは思わない」とし、制裁に屈せず欧米に対抗する姿勢を示した。

プーチン露大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談についてラブロフ氏は、「プーチン氏は拒否しないだろう」と述べたが、現実に即した議論がなされるべきだとも主張した。ロシアの要求を受け入れることが会談の条件であることを示唆した形で、実現するか不透明だ。外相会談はトルコが仲介した。(カイロ 佐藤貴生)


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