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中国首相、対露制裁に反対 「憂慮」表明も非難避ける

【北京=三塚聖平】中国の李克強首相は11日、北京の人民大会堂で記者会見し、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁について「世界経済の回復に衝撃をもたらし、各国に不利だ」と反対した。ウクライナ情勢について「中国も憂慮と痛惜を深く感じている」と述べつつも、ロシアへの非難を避けるなど従来方針を変えることはなかった。

中国全人代で政府活動報告をする李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代で政府活動報告をする李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)

李氏の会見は、中国の立法機関、第13期全国人民代表大会(全人代)第5回会議の閉幕後に行われた。

ウクライナ情勢について、李氏は「ロシアとウクライナが困難を克服して協議を進め、平和的な結果を出すことを支持する」と表明した。また、中国側の立場として「各国の主権と領土の保全は尊重されるべきだ」とウクライナに配慮。同時に「各国の合理的な安全保障に関する懸念も重視されるべきだ」とも述べ、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に反対するロシアの立場にも理解を示した。

緊張が続く米中関係について「理性的、建設的な方法で食い違いを適切にコントロールし、互いの核心的利益や重大な懸念を尊重することを望む。多くの対話と意思疎通が必要だ」と発言。関係改善に向け、バイデン米政権との対話を続ける意向を示した。「もし米国が対中輸出制限を緩和すれば、両国の貿易額はさらに大きくなるだろう」とも述べ、対中規制措置の解除に期待を見せた。

台湾政策に関しては「『台湾独立』の分裂行為に断固反対し、両岸関係の平和発展と祖国統一を促進する」という従来の方針を表明。「広範な台湾同胞に発展の機会を引き続き分かち合いたい」と経済面での恩恵を呼び掛け、軍事的な圧力には触れなかった。

今年の国内総生産(GDP)実質成長率の政府目標を「5・5%前後」について、「高水準の安定であり、容易ではない」と強調。財政支出の強化などマクロ政策で経済成長を支える方針を示した。

新型コロナウイルス対策に関しては、わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策について「人民の命や健康、正常な生産や生活秩序、サプライチェーン(供給網)の安全を守っている」と自賛。出口戦略については「時を移さず変化に対応し、次第に物流や人の流れを秩序正しく再開させる」と述べ、具体的な道筋を示すことはなかった。

全人代は同日午前、経済成長目標を盛り込んだ政府活動報告や、国防費を含む予算案などを採択・承認して閉幕した。国防費は、前年比7・1%増の1兆4504億5千万元(約26兆6千億円)を計上。前年比の伸び率が7%を超えるのは19年以来で、台湾問題などをめぐり米国との対立が続く中、軍拡路線の継続を示した形だ。


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