厚生年金の計算というのは、「生涯平均月収額×0.005481×加入月数」です。これで厚生年金額を出すことができます。
年収が約180万円増えると年金の受取額が約1万円増えると言う計算です。つまり年収180万円で5年働けば、約5万円増えることになるのです。もちろん年収360万円で5年働けば10万円増えると言うわけです。これに基礎年金の約78万円(2021年の満額の金額)をプラスさせるとだいたい年金額がわかります。
50年間働いたら? 年金額を計算
・生涯平均月収30万円の人が50年働いたときの年金額は約177万円
・生涯平均月収40万円の人が50年働いたときの年金額は約210万円
(3)年金の受給を遅らせる…1年繰り下げで8.4%増
年金の繰下げ受給をすることで年金を増やすことができます。年金の受給を1年遅らせることで8.4%の増額になります。65歳から受給開始できますが、70歳まで繰り下げれば42%の増額です。投資などで運用するよりもずっと確実で高利回りで増やすことができます。70歳まで働くとしたら、その分、給与があるので生活費も確保できます。ぜひ試していただきたい方法です。
50年間働いて繰下げ受給したら? 年金額を計算
・生涯平均月収30万円の人が50年働いて、70歳まで繰下げ受給したときの年金額は約247万円
・生涯平均月収40万円の人が50年働いて、70歳まで繰下げ受給したときの年金額は約292万円
キャリアは自らがつかみ取るもの!
「(3)年金の繰下げ受給」と言うのは、65歳になってからの話です。そのときには、制度が変わっているかも知れませんから、いまからは考えない方がいいかも知れません。そのときになってから検討しても遅くはありません。まず現時点では(1)と(2)の年金をアップさせる方法を考えてみましょう。
▼「70歳定年」のためにスキルアップを
年収を増やすためには、キャリアアップ・スキルアップが必要です。さらに70歳まで働くときに通用するキャリアを身につけるのもとても重要です。だってあと40年も就労期間が残っているのですから。しかし、キャリア・スキルは会社が与えてくれるものではありません。自ら掴みとる必要があるのです。
年金は、一生涯受け取ることができるので、長生きしても対応できる老後資金です。もちろんiDeCoも同時に利用しておくと、60歳になった時には、かなり増えているのではと思います。
▼iDeCoのお金は余裕資金に
年金を増やすことによって、年金だけで生活をすることができれば、一生涯お金の心配をする必要が無くなります。そしてiDeCoのお金は介護などのための「もしも」のときの余裕資金として取っておくように準備をするという方法をオススメします。
年収を増やすことに成功できれば、iDeCoとかNISAなどの貯蓄するお金も多く回すことができ、かなりゆたかな老後生活を送れるようになります。
出典
*1 生命保険文化センター「令和元年度 社会保障に関する調査」
*2 運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料」(2021年3月末)