日本は世界最高水準…小田急電鉄、飲料メーカーが取り組むリサイクル最前線!

    世界では毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に排出されているとされる。脱プラスチック、資源再生の動きは今や世界的な潮流だ。中でも水平リサイクルの取り組みは単一素材で扱いやすいペットボトルで先行しており、大手飲料メーカーがペットボトルなどのプラスチックごみを繰り返し再生する循環利用に乗り出している。

    リサイクルステーションの状況を確認する小田急電鉄の今野顕一さん(右)と松島美佐子さん=2021年12月15日、東京都新宿区(SankeiBiz編集部)
    リサイクルステーションの状況を確認する小田急電鉄の今野顕一さん(右)と松島美佐子さん=2021年12月15日、東京都新宿区(SankeiBiz編集部)

    2030年までに分別率100%実現

    サントリー食品インターナショナルは2012年に初めて、石油由来原料を全く使わない再生ペットボトルを導入。従来よりも二酸化炭素排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」も開発している。同社コミュニケーション本部課長代理の佐藤慶一さんは「自動販売機の横に設置したリサイクルボックスをゴミ箱と誤解されている人もいますが、飲み終わった後のペットボトルは何度も循環する貴重な資源です」と語る。

    石油を原料とするプラスチックの使用量を減らし、プラスチック製品の再資源化を進めて循環型社会への移行を目指す新法「プラスチック資源循環促進法」(プラスチック新法)が4月から施行される。同社は家庭ごみとして分別排出されるペットボトルにも着目。東京や神奈川、長野、愛知、京都、兵庫など各都府県の自治体と協定を締結し、指定のリサイクル業者が再生加工したうえで再び商品に使えるようにもしているという。

    また2020年6月、サントリーホールディングスはアサヒグループホールディングスなど12社と共同で新会社のアールプラスジャパンを設立し、ペットボトルを含むプラスチックの再資源化にも取り組む(2022年2月現在38社が参画)。キリンホールディングスも同年12月、化学メーカーの三菱ケミカルと共同でペットボトルを再資源化する技術の検討を開始し、2025年までの実用化を目指している。

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    飲料メーカー各社でつくる全国清涼飲料連合会は今年秋ごろから、自動販売機の横に設置する回収ボックスを、ごみなど異物が混じりにくい形に統一していく方針だ。

    リサイクルの過程で不純物や汚れを取り除く技術などが進展したことで、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一つとして注目されるペットボトルの「水平リサイクル」。佐藤さんは「学校などでの啓発活動を継続、強化して『ボトルtoボトル』を推進していきます」と強調。「RE:BOTTOLE A」(リボトルアクション)と銘打ちペットボトルの再生に取り組む小田急電鉄の松島さんは「同じ目標を持った飲料メーカーや企業と協力し、2030年までに飲み残しを含めた分別率100%を目指したいです」と話した。


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