はじめに
会社で働いていると毎月支給される「給与」は、自身の生活や今後のライフプランを考える上で、切っても切れない重要なものと言えるでしょう。そんな給与について、「今の会社でこれだけ年収があるけど、他の同年代の人はどれくらい貰っているんだろう」と気になったことはありませんか?
そこで今回は、年齢ごとの平均年収の解説、および年収をアップさせたい方に伝えたい秘訣を紹介します。
年齢別に平均収入を紹介
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まずは、それぞれの年齢ごとの平均年収について、厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」のデータを元に、「現金給与額×12月+年間賞与等」で平均年収を割り出しました。平均年収を知ることで、自身が現在の会社で受け取っている給与の高低がよりわかりやすくなるでしょう。
引用元:令和2年賃金構造基本統計調査
20代の平均年収を詳しく解説
20代のおおよその年収に関しては、20~24歳、および25~29歳のデータを合計し平均化することで算出できます。以下は、それぞれの年齢階級における賃金のデータです。
【男女計】
・20~24歳:314万円
・25~29歳:390万円
【男性のみ】
・20~24歳:326万円
・25~29歳:410万円
【女性のみ】
・20~24歳:301万円
・25~29歳:360万円
以上のデータから、20代の男女合計の平均年収は「352万円」、男性のみでは「368万円」、女性のみの場合は「330万5千円」となります。これは、男女計の場合で月給に直すと約19万前後となり、新卒が多いこと、そして役職についているケースが少ないためにこの金額であると考えられます。
30代の平均年収を詳しく解説
30代のデータも、20代と同じくデータを元に平均を出すことが可能です。以下は、それぞれの年齢域や性別の賃金額です。
【男女計】
・30~34歳:441万円
・35~39歳:494万円
【男性のみ】
・30~34歳:476万円
・35~39歳:541万円
【女性のみ】
・30~34歳:378万円
・35~39歳:397万円
以上から、30代の男女合計の平均年収は「467万5千円」、男性のみでは「508万5,000円」、女性は「387万5,000円」となります。この年代から、前半、後半の年齢域で賃金に開きが出始めているのがわかります。
これは、30代後半になるにつれて役職が付いたり、家族を持ち別途手当を受け取るようになったりなど、キャリアやライフプランに沿って給与が変動しているためと考えられるでしょう。また、30代では男女の間でも賃金の差が20代と比べると大きくなっています。
40代の平均年収を詳しく解説
ここからは、40代の平均年収を見てみましょう。各賃金のデータは以下の通りです。
【男女計】
40~44歳:531万円
45~59歳:561万円
【男性のみ】
40~44歳:590万円
45~49歳:636万円
【女性のみ】
40~44歳:412万円
45~49歳:419万円
40代では、男女合計「546万円」、男性のみは「613万円」、女性のみの場合は「415万5千円」が平均年収となります。20代・30代よりもさらに金額が高くなり、一見若い世代と比べると余裕があるようですが、独身か既婚、子どもや被扶養者の有無によって個人の感覚は変わる金額であると言えるでしょう。
また、男女での賃金の差が大きく、女性は30代とあまり変動がないように見えます。これは、性別での給与の違いの他に、結婚や出産などのライフステージの変化により、正社員以外の働き方を選択する方が多いことも影響していると考えられます。
50代の平均年収を詳しく解説
最後に、50代の平均年収を紹介します。以下、統計調査によるデータです。
【男女計】
50~54歳:590万円
55~59歳:584万円
【男性のみ】
50~54歳:684万円
55~59歳:676万円
【女性のみ】
50~54歳:421万円
55~59歳:410万円
以上から、男女合計の50代平均は「587万円」、男性のみ、女性のみの場合はそれぞれ「680万円」、「415万5千円」とわかります。男性は全ての年代の中で最も年収が高くなっており、定年制度や役職手当の影響が大きいと考えられます。一方女性は、40代と比べてもほぼ変動はなく、引き続きライフプランによる変化が続いていると考えられるでしょう。
年収を上げたいなら転職がおすすめ! 年収アップ成功の秘訣5つ
先ほど紹介した年代ごとの平均年収を見て、「今の会社は、同年代の平均より年収が少ない」、「もっと給与を多くもらえるようになりたい」と思った方もいるのではないでしょうか。
もしも年収を上げたいと考えるならば、今の会社で給与交渉を行う他、もらえる給与がより高い会社への転職を目指すのがおすすめです。ここからは、年収アップを目指す場合の転職について、成功の秘訣を5つ紹介します。
1.給与水準が高い業界を目指す
まず注目したいのは、「給与の水準が高い業界」です。他の業界に比べてもより給与が多めにもらえる可能性が高いため、結果として年収アップにつながります。たとえば、コンサルティング業界や金融業界、製薬や医療機器など医療に関わる分野は高水準の傾向が強いもの。
たとえ自身の年齢が若かったり、業務の功績向上につながり得るスキルを持っていても、肝心の給与水準が低ければ、思ったような給与がもらえない場合があるのです。そのため、「年収アップ」を軸に転職先を探すのであれば、上記のような業界を見てみるのもよいでしょう。
2.成長性の高い業界を目指す
次に、成長が見込める企業や業界を目指すのもおすすめです。市場規模が広がるにつれ、売上や投資なども増加しやすいことにくわえ、即戦力や有資格者など優良な人材を求める点から労働環境や福利厚生、待遇が好条件のケースが多いためです。
たとえば、IT業界といった情報通信、電気やガスといったインフラ、専門・技術サービスに関わる業界などは、売上が増加しやすく成長性があると見込まれるでしょう。たとえ個々の企業の業績や努力があっても、業界全体が縮小、もしくは衰退傾向にあっては年収の面でも厳しくなる可能性が否定できません。そのため、企業を選ぶ際は業界全体をしっかり見るようにしましょう。
3.実力や実績で評価される企業を選ぶ
業界や希望する企業を見つけたら、給与の評価基準が「実力や実績」によるものかどうかをきちんと確かめておくとよいでしょう。転職時の年齢などによって、年収が変わらない、もしくはかえって下がってしまう可能性を防ぐためです。
たとえば、給与の評価基準が年齢、つまり年功序列に偏っている企業などは、どんなに成績や売上が良くても、年齢が若ければその成果が給与に反映されにくいケースがあります。実績が評価に反映されないことは、年収だけではなく会社そのものへの不満の原因にもなりかねませんので、評価基準はきちんと把握しておくべきです。
4.福利厚生などの手当も確認する
年収アップを考えるにあたっては、福利厚生面も非常に重要と言えるでしょう。ときに、福利厚生においての「手当」が給与に大きく影響するためです。
一例ですが、家賃補助などの目的として支給される「家賃手当」や資格に応じた「資格手当」などは、会社によって支給の有無が変わります。その結果、たとえ基本給が同じ会社でも、これらの手当の有無によって実際にもらえる給与の額が変わるのです。そのため、福利厚生面、特に手当の有無はしっかり確認しておくべきでしょう。
5.給与交渉を行う
最後に、転職した後の給与においては、事前の「給与交渉」も大切な要素となります。そのため、面接などの選考においてはきちんと自身が希望する額を伝えること、そしてその給与に見合った自分の強みをアピールするのが不可欠です。
たとえば、応募先の企業の業務で役立つスキルだけでなく、経験や実績を交えて伝えると「有用な人材」と判断されやすくなるでしょう。「自分にはこんな強みがあって、会社でどのように役に立てるか」をしっかり話すのが、スムーズな給与交渉のコツです。
まとめ
今回は、年代ごとの年収の平均額について紹介しました。もし、自身の給与が平均より少ない、もしくはもっと年収を上げたいと考えるならば、転職活動を視野に入れるのをおすすめします。「給与」は、生活だけでなく仕事のモチベーションにも関わる重要な要素のひとつです。
そのため、転職活動においても業界や企業選び、福利厚生や評価基準などのリサーチを着実に行うとよいでしょう。