陶芸家として初の文化勲章を受章した茨城県筑西市出身の板谷波山(いたや・はざん、1872~1963年)の功績を描いた学習漫画「板谷波山 故郷を愛した陶芸家」が完成し、同市教育委員会に贈られた。4月から市立小学校の授業で活用されることが決まり、制作した市内の団体は「偉人を通して愛郷心を育んでほしい」と話している。
漫画はA4判カラー34ページ。波山の生い立ちから亡くなるまでの軌跡が描かれた。陶芸家としての活躍だけでなく、故郷を愛した人間性にも着目し、旧下館町の高齢者へ贈り続けた「鳩杖」や戦争で亡くなった遺族へ贈った「観音像」のエピソードもある。
制作したのは同市の下館青年会議所(下館JC)、下館商工会議所青年部、まちづくり団体「同友クラブ」の3者でつくる平成25年結成の「波山プロジェクト」。小中学生が波山を知ることで、地元の魅力や文化に誇りを持ってもらおうと26年から制作が始まった。
プロジェクトリーダーで元下館JC理事長の水柿貴之さん(49)によると、資料集めや関係者からの聞き取り調査など年月をかけ、波山について知識を深めたという。漫画は制作会社「シンフィールド」(東京都)に依頼。当時の難しい言葉は避けるなど、子供でも分かりやすくなるよう心掛けた。陶芸作品を写真で紹介するページを加えたり、全ての漢字にふりがなを付けたりと構成にも時間をかけ、今月完成した。総制作費190万円。
8日に市役所で贈呈式が開かれ、プロジェクトメンバーが出席。水柿さんは「漫画を活用して市の発展や故郷の筑西に思いをはせてほしい」と話した。小室高志教育長は「子供にとってすばらしい教材になる。郷土を愛する子供に指導していく」と感謝を述べた。
市によると、波山を描いた漫画は初めて。市内の小中学校全校27校に配布され、市立図書館でも4月から閲覧できるという。































