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米欧、輸送路攻撃に苦慮 露のエスカレートどう阻止

【ワシントン=渡辺浩生】ロシアがウクライナ西部の軍事演習施設を攻撃し、米国と北大西洋条約機構(NATO)は事態のエスカレートをどう阻止するか難題を突き付けられた。ウクライナ軍の反撃を弱体化させるためロシアは武器輸送路への攻撃を強めるのは必至。直接対決を回避したい米欧のウクライナ支援は曲がり角に立たされた。

「ロシアがNATOの領域を攻撃すれば、同盟はそれに対応する」。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日、米CBSテレビで、ウクライナ軍事演習施設の攻撃により、戦火がNATO加盟国ポーランドとの国境から20キロの地点にまで迫ったことを受け、こう強調した。

一方、ウクライナに対する軍事支援への影響については「われわれの支援継続の能力を信じている」と述べるにとどめた。

NATOはウクライナ軍の自衛力を持続させるため、携帯式の対戦車や地対空ミサイルを中心に兵器供与を加速してきた。だが、バーンズ米中央情報局(CIA)長官は8日の下院公聴会で、プーチン露大統領が当初の計画通り侵攻が進まないことに「いらだっている」と証言。ロシアが軍事行動をエスカレートさせる危険性も示唆した。

支援物資の輸送路が通る西部への攻撃はこの警告を裏付けた形だ。ポーランドは輸送路の玄関口であり、ヤボリウの演習施設は「ウクライナとNATO諸国の間の極めて重要な拠点」(AP通信)だった。欧米の指導要員は侵攻前に出国したとされるが、空爆前日に施設を訪ねた米誌タイムの記者はツイッターに、米英など「数千人の外国人志願兵の拠点」と投稿した。

NATO側は、ウクライナが求める飛行禁止区域設定や戦闘機供与は露軍との衝突リスクがあると拒否を続ける方針。だが、今回の空爆で制空権の死守が最重要となり、長距離地対空ミサイルシステムなどの供与を急ぐとみられる。

欧米はロシアによる化学・生物兵器使用への警戒も強めている。「米国がウクライナと生物兵器を開発している」とロシアが偽情報を発信するのは、自らの使用の前兆だとみている。

プーチン氏は核兵器部隊の戦闘警戒態勢も命じた。米国は「本土・同盟国・パートナーを守る核抑止態勢に自信がある」(カービー国防総省報道官)とするが、同盟国でないウクライナへの化学・生物兵器や戦術核の使用をどう阻止するか。プーチン氏に対する欧米のレッドライン(越えてはならない一線)はなお不明瞭だ。


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