はじめに
求人情報でもよく見かける「商品企画」ですが、具体的にどのような仕事をしているかいまいちわからない所も多いでしょう。新しいものを作るイメ―ジの強い「商品企画」は、誰もが一度は携わってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。本記事では、商品企画の仕事内容から、やりがいやスキル、なり方など詳しく解説していきます。
商品企画とは?
商品企画とは「自社でどのような商品を売り出していくか」「その売り出し方法は?」「実現性や売上げ目標は?」といった、新商品に関する企画をしていく仕事です。そのためには、「これからどのようなものが流行るのか」「どのような手法で売り出していくのがベストか」など、トレンドやユーザーニーズの把握・マーケティングについても知っておかなければなりません。
商品の企画自体が他社競合より遅くなってしまったり、全く同じようなものになってしまったりすると、売上げに関係してくるため、後手にならないよう常に新しいものにアンテナを張り、身近なものやお客様の声から「こんな新しいものを作り出したらどうか」という視点が必要です。
商品開発との違いについて
「商品開発」とは「商品企画」と似ている名前で、混合されやすいですが仕事の内容は全く違います。商品企画の人たちが決めた新商品のコンセプトなどをもとに、それを具体的な商品に起こしていくのが「商品開発」です。
いかに忠実に再現するか、問題があればどのような改善策が考えられるかなど、商品企画の人たちと密に連携を取りながら一緒に新しいものを作っていく仕事になります。
商品企画の仕事内容
具体的には、以下のようなステップを踏んで進めていくことが多くなっています。
1.トレンド・マーケット・顧客ニーズ動向のリサーチ
2.新商品のコンセプトの立案・検討
3.大まかな新商品のデザインや機能の立案(試作品を作成する場合もあり)
4.出荷量や価格の検討・売上げの目標立案
5.商品開発部へ具体案をプレゼンテーション
このように、イメージとしては「商品企画」の仕事は最後まで商品を作るのではなく「どのような商品を作るのか」「それによってどれくらい会社は利益を期待できるか」を各フェーズで議論し、各データに基づいて決定する仕事です。
既にお伝えした通り、ここで新しく作る商品のコンセプトなど方向性を決定した後、具体的に本物の商品として実現化していくのは「商品開発」の仕事です。中小企業などであれば、どちらも同じ部署の人が担当することも多いですが、大企業だと完全に部署が分かれていることが多くなっています。部署が分かれているといっても、この2つの部署は双方の連携が非常に重要でいずれにせよ身近な部署となっています。
商品企画のやりがい
商品企画のやりがいといえば、なんといっても「自分が考えた商品が実現化されたとき」でしょう。さらにそれが大成功を収め、トレンドに入るといったことが起これば大きなやりがいにつながります。世の中で大ヒットを起こすほどの商品を作り上げることはなかなか稀ではありますが、当初の目標売上に達成するだけでも十分やりがいを感じられます。
また、商品企画の多くは自分1人で企画をするのではなくチームで行います。チームで決められた発売日に向けて商品開発の人と連携を取りながら、1つのものを作り上げていきます。その「チームで仕事をし、成功を収める」という過程自体も非常に価値の高い経験です。
一般の事務や1人で行う仕事ではなかなか味わうことのできない達成感を得られます。仕事自体は忙しい傾向にあり、大変な部分ももちろんありますが、その分やりがいは大きな仕事であるといえるでしょう。
商品企画に求められるスキル・資格
商品企画の仕事に求められるスキルは以下のようなものがあります。
・商品やマーケット・ユーザーニーズの動向に関する知識・分析力
・潜在ニーズを掴むスキル
・調整や折衷するスキル
・企画した商品のすばらしさを伝え、社内全体を同じ方向に向かわせるプレゼン能力
・コミュニケーションスキル
商品企画の仕事では、「今までありそうでなかった」「こんなものが欲しかった」と思うものを売り出せることがベストです。そのためには、マーケット動向やユーザーニーズの把握はもちろんのこと、普段から潜在ニーズを把握するスキルも必要です。
また、これから商品企画の仕事に就きたいと考えている人は、マーケティングを学べる「ビジネスキャリア検定」や「販路コーディネーター」、新商品を生み出すのに必要なスキルや知識を学べる「商品プランナー」「商品開発士」「商品開発コーディネーター」などの資格や検定に挑戦してみると良いでしょう。
商品企画の仕事に向いている人
ここまで紹介してきて「商品企画の仕事は難しそう」と感じた人もいるかもしれません。しかし、そこまで難しく考えることはありません。素質として、商品企画の仕事は次に掲げるような性格の人が向いているといえます。
・好奇心があり、日々の暮らしの中で新しい発見をすることが好き
・発想力や企画力がある
・新しいことへの挑戦を恐れない
・中長期的に物事を取り組める
・人とコミュニケーションを取ることが好き
・視野が広く、あらゆる人の視点で物事を考えられる
紹介してきた通り、商品企画の仕事には、それを完成させるまでの間にたくさんのフェーズがあります。それぞれのフェーズでそれぞれの立場の人と話をし、時には話がぶつかり上手く調整したり折衷案を出したりしなければなりません。
新しい商品について考える企画に関することはもちろんですが、社内外とのコミュニケーションも非常に重要です。こういった作業が苦にならずむしろ「楽しい」と感じられる人は、商品企画に向いているといえます。
商品企画への転職を目指す方法
商品企画の仕事に就くには、主に以下の2つの方法となります。
・今の職場の商品企画部門へ異動希望を出す
・商品企画の人材を募集している求人に応募する
現在の職場に商品企画の部署があれば、そこに異動願を出すことが一番の近道ではないでしょうか。商品企画の仕事は専門性が高いことや、会社の経営に直結する部分もあるため、その部署に配属されるのはハードルが高いという場合も少なくありません。
2つ目の方法としては「商品企画の人材を募集している求人に応募する」ということです。この場合は、最初から「商品企画」の要因として募集されているため、採用が決まれば商品企画の仕事に就くことが可能です。
ただ、転職して商品企画をする場合は、まず自社商品の勉強から始まり、その後その業界のマーケティング動向などを学ばなければならないため、入社後勉強することは山ほどあります。その分、やり遂げた時の達成感は非常に大きなものになるでしょう。
まとめ
商品は、会社の経営を左右する一番の要素です。商品企画は、それを決めさらにどのように売り出していくかも決める重要な仕事。つまりは、会社の経営戦略を考える仕事であるといっても過言ではありません。
難しい上に重要な役割のため、ハードルが高かったり仕事がとても難しかったりと大変な面はたくさんあります。その分、やり遂げたあとには大きなやりがいを得られる素敵な仕事でもあります。興味がある方はぜひ、求人情報を一度見てみてください。