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春闘、賃上げ機運復活 人手不足感が後押し 山田久氏

令和4年春闘は16日、鉄鋼や電機、自動車など主要企業の集中回答日を迎え、新型コロナウイルス禍からの業績回復を背景に高水準の回答が相次いだ。雇用や賃金問題に詳しい、日本総合研究所、山田久主席研究員に評価を聞いた。

日本総合研究所の山田久主席研究員
日本総合研究所の山田久主席研究員

多くの企業で前年を上回る回答になるなど、賃上げ機運の復活に期待が持てる結果となった。昨年は、新型コロナウイルス禍や米中対立など先行きの不透明さからほぼ賃上げができなかった。これを変えられるかが今年の焦点だった。

直近でロシアの軍事侵攻があり賃上げ機運がしぼむことが懸念されたが、結果を見る限り大手を中心に賃上げの重要性が認識されているのだと感じる。

政府の賃上げ要請のほか業績改善や人手不足への懸念が、企業の判断を後押ししている。特に人手不足は深刻で、各社優秀な人材を確保し社員のモチベーションを上げる必要に迫られている。

ただ今回の結果も、日本経済を好循環に導くには不十分だ。マクロ全体で名目賃金を1%上昇させるのは容易でない。この先の物価上昇を考慮すれば、実質賃金がマイナスになるタイミングもあるだろう。一方で国際情勢も不安定さを増している。企業がリスクを取りにくくなれば、賃上げに対しても保守的にならざるを得ない。

企業の事業環境が見通しにくくなる中、政府のバックアップも必要だ。平成27年まで開かれた政府、経済界、労働界の代表による政労使会議を復活させるのも手だろう。賃上げの全体像と政労使の役割を多角的に議論し、賃上げの機運を盛り上げることが必要だ。従来のベア交渉では限界が生じており、生産性向上、物価上昇といった賃上げ要因を分解した上での合理的な議論の枠組みに変えることも重要だ。(聞き手 加藤園子)


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