こんにちは、桶井道(おけいどん)です。連載9回目。今回は、「孤独」にならない老後の準備、資産1億円を築き「FIRE」した現在も投資や仕事を継続するワケ、について書きます。独身であれ、既婚者であれ、人生の最後は一人になる可能性が高いです。誰しも、老後の「孤独」とどう向き合うかは人生の課題のひとつでしょう。40代~50代から老後人生を逆算して、準備しておくことで、「孤独」にならない老後生活が可能だと考えます。
アップルカーで「ザ・リッツ・カールトン」へ
私は、2020年秋に資産約1億円とともにFIREしました。会社を辞めた後も、投資を継続して、かつ好きなことを仕事にして、FIRE1年目は1000万円以上の資産増加に成功しました。これは一過性のものではなく、FIRE2年目も現在進行形で進めていることです。FIREしたからといって、投資で日本国債のみなど完全に守りに入ることはなく(かといって、株式にフルインベストメントや仮想通貨など攻めた投資もしません)、仕事をせず縁側でのんびり隠居しているわけでもありません。
その理由は、今を楽しみながらも、理想とする老後生活を送るためです。理想の老後生活を「セットゴール」として、「ゴールベース」で物事を考えて行動しています。孤独とは無縁の老後を送る準備をしています。
私は、十数年後の老後人生を、次のように想像しています…。年金生活を迎えた私は、関西で高級ブランドとされる阪急電車神戸線沿線の、シニアマンションに入居しています。2LDKで入居費用は5000万円、月々の生活費は30万円です。
シニアマンションとは、マンション、ホテルおよび老人ホームの「良いところ取り」の施設です。プライバシー、セキュリティ、コミュニティ、アメニティ、ホスピタリティ、さらにはメディカルケアが揃っています。
機能を具体的に説明しますと、エントランスにはレセプションがあり、セキュリティ機能とコンシェルジュ機能を兼ね備えます。住民がくつろいだり、ご来客をお迎えしたりする、ラウンジや庭園があります。住民専用レストランがあり朝昼夜と専属のシェフが腕を振るいます。自室にも浴室はありますが、大浴場があり天然温泉です。書籍や新聞が揃うライブラリーがあります。卓球、体操、麻雀、カラオケなど住民によるサークル活動もあります。24時間有人管理で、介護士か看護師が常駐、同じ建物内もしくは近隣に提携クリニックがあります。要介護になると介護棟もあります。よって、終の棲家になるのです。
そこで、私は次のような暮らしをします。
【203X年3月22日】
私はいつも通り、目覚まし時計なしで、自然に目覚めます。ベッドに入ったまま、カーテンや空調はiPhoneに話しかけると作動します。米国株をチェックして、Twitterに返信を入れて、そうこうしているうちに日本株が動き出し、チェックします。
午前9時過ぎにベッドから出て、身支度を済ませ、9時半にレストランで朝食。シェフの焼き立てオムレツかエッグベネディクトが毎朝の楽しみ。食後はラウンジに移動してロイヤルミルクティーを片手に住民と会話を楽しみます。日常的に投資話に花が咲きます。11時にライブラリーに移動して日経新聞を読みます。ここまでは毎日のルーティン。
お昼ごろ、自動運転EV(電気自動車)のアップルカーに乗って外出、行き先は超お気に入りのホテル「ザ・リッツ・カールトン」。移動中の車内では、ジャズが流れ、iPhoneでネットサーフ。
ザ・リッツ・カールトンは常連客を名前で呼ぶポリシーを持っており、ドアパーソンから「おかえりなさいませ、桶井様」と迎えられます。私も「こんにちは、緒方さん」とドアパーソンを名前でお呼びし挨拶を返します。アップルカーをドアパーソンに託して駐車場に入れてもらいます。
ランチはカウンターでお寿司。「いつものにされますか?」「はい、お願いします」で通じます。お寿司10貫を堪能したあとは、ロビーラウンジに移動。バイオリンの生演奏をBGMに、読書しながらのティータイム。夕刻になると、バーに移動して、夕食はサラダとパスタ、ノンアルコールカクテルを片手にバーテンダーとの会話を楽しみます。
こうして、世界一のホテリエ(=ホテルマン、ホテルウーマン)に大切にもてなされて、“ベスト・オブ・ベスト”なホスピタリティのもとで、くつろぎます。午後8時には、「いってらっしゃいませ、桶井様」と送り出されて、アップルカーでホテルを後にします。