濃厚接触者の出勤制限、政府求めぬ方向

    首相官邸=東京都千代田区
    首相官邸=東京都千代田区

    新型コロナウイルスの感染が拡大している地域では、一般の事業所で感染者が出た場合、濃厚接触者の出勤制限を一律に求めない方向で政府が検討していることが15日、分かった。重症化リスクの低いオミクロン株の特性や事業所での感染が比較的少ないことを踏まえた。オミクロン株による感染拡大では、職場で感染者が出た際に濃厚接触者と判定され、欠勤する職員が増加し、社会機能の維持が困難になることが問題となっていた。

    高齢者施設や保育所、幼稚園、小学校の職員ら社会機能を維持するための「エッセンシャルワーカー」については毎日検査することで業務を可能とする方針。

    また、政府は18都道府県に適用している蔓延(まんえん)防止等重点措置の解除の可否について、17日の対策本部で正式決定する方針を固めた。東京都など17都道府県は適用を解除する方針だが、大阪府については病床使用率などを見極めた上で16日までに解除するか判断する。

    岸田文雄首相は15日の政府与党連絡会議で、感染状況について「全国的に改善が続いている。慎重さを堅持し、第6波の出口へ向けて歩みを進めたい」と述べた。

    厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織は15日、会合を開いた。脇田隆字(たかじ)座長は記者会見で、蔓延防止等重点措置の解除後も飲食店の人数制限などを含め、「基本的な対策が必要」との認識を示し、「感染者数が増加に転じれば、入院患者や医療従事者の欠勤が再び増え、医療への負荷が高まる可能性がある」と述べた。


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