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JALが航空業界初「サブスク」で実証実験 「旅に出たい」ニーズ喚起で需要狙う

新型コロナウイルス禍で航空業界が痛手を負う中、日本航空(JAL)と定額制宿泊サービスを運営するKabuK Style(カブクスタイル、長崎)が共同で、航空業界初となるサブスクリプションサービスの実証実験を行った。公表された結果では、若い世代の利用や、ワーケーション目的や行先を決めずに購入するという従来とは異なる利用動向が目立っており、新たな需要を獲得できる可能性が浮かび上がってきた。

JALが3往復3泊分の空旅で3万6000円のサブスクを実証実験(KabuK Style提供)
JALが3往復3泊分の空旅で3万6000円のサブスクを実証実験(KabuK Style提供)

3往復3泊分の空旅で3万6000円

実証実験の内容は3万6000円の定額料金を払えば、3カ月間で最大3回、1往復の航空券と指定ホテルの1泊分を利用できるというもの。羽田発の便で、新千歳、釧路、山形、小松、南紀白浜、高知、長崎、宮崎、那覇、宮古の10路線を対象区間とした。

実証実験に参加したのは、KabuK Styleが運営する毎月定額で世界中の宿泊施設に滞在することができるサービス「HafH」(ハフ)の会員500人。年代別に見ると20代をはじめとする若い世代の参加者が多く、同社担当者によると「HafH会員の年代構成よりもやや若い傾向」だという。実証実験参加者は一般的な航空機の搭乗者層の中心である50〜54歳と比べてもかなり若く、「サブスクという商品形態の若い世代へに対する訴求力の強さに起因したもので、航空サブスクサービスで若年層の利用を促進することが期待される」と分析している。

参加者の職業は、会社員が68%と最多で、続いてフリーランス10%、経営者・自営業8%の順に多かった。参加目的について複数回答で尋ねたところ、「観光」が82%と最多だった一方、「ワーケーション」という回答も50%にのぼった。

行先はあとで決める

3回分の往復航空券について、41%の参加者が購入時に行き先をまったく決めておらず、3回全ての行き先を決めていた参加者はわずか20%だった。つまり80%の参加者は行き先を完全には決めずに購入していた形だ。行き先を決めて移動手段を購入する従来の旅のスタイルとは異なり、航空サブスクサービスでは、まず旅行へいくことを決めて、行き先は後から決めるというスタイルも好まれるようだ。

行き先について、実証実験の結果と同時期のJALグループの旅客割合を比較した結果、実証実験ではJALグループで割合の高い新千歳、那覇以外の行き先への需要が生じており、全体としては分散する傾向が見られた。また、75%の参加者が申込時には予定していなかった予定外の地域に旅行をしたと回答した。

KabuK Styleの担当者は「旅行することだけを決めて、行き先は後で決めることができるという航空サブスクの特徴が、新たな需要を創出する可能性を示唆していると考えられる」との見方を提示。第1弾の実証実験を終えた結果について、「新しい需要はコロナ禍で大きく痛手を負った日本の観光産業を再起させ、中長期的な視点では地域の活性化につながることも期待される」とし、年内に行う第2弾の実証実験を経て実用化を検討する。


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