新型コロナウイルス対策として東京や大阪など18都道府県に適用されていた蔓延(まんえん)防止等重点措置が22日、全面解除された。「第6波」では、子供の感染急増や濃厚接触者の待機期間が社会的課題になり、飲食店では従来と同様の営業時間の短縮要請が繰り返された。一部の対応は改められ、各地の新規感染者数は減少傾向だが、「蔓延防止に意味はあったのか」との声も上がる。具体的な検証がないまま、人の動きが活発になる年度末を迎える。
厚生労働省によると、保育園の休園が年明けから急増。ピークは2月3日の777カ所で、子供の預け先がなくなり、在宅での仕事と育児の両立を余儀なくされる保護者が相次いだ。
「今も試行錯誤の対策が続いている」と話すのは、大阪市都島区の認定こども園「東野田ちどり保育園」の江川永里子園長(63)。第6波で2度の休園を強いられたが、家庭保育に理解を示す保護者の協力で「なんとか乗り切れた」。重点措置の期間中、登園自粛などに協力した家庭への保育料の軽減措置も効果があったと感じている。
一方、感染力がより強いとされるオミクロン株の派生型「BA・2」の拡大は気がかりだ。江川園長は「エッセンシャルワーカーの子供の限定的な預かりなど、社会機能維持のための保育のあり方を考える必要があるのでは」と述べた。
濃厚接触者の待機期間の長期化も社会問題化した。
「いっそのこと一家全員で一斉に感染した方が楽かもしれない」。同居する妻(47)と長男(5)が相次ぎ感染した大阪府豊中市の男性会社員(48)は、11日間に及んだ自宅待機をこう振り返る。
2月27日に妻の感染が判明。7日間の自宅待機となり、家庭内での接触を極力避けたが、待機があと数日となった今月3日に長男の感染が分かり、待機期間がさらに7日間延びた。在宅勤務をしながら感染対策の徹底と家事の「ワンオペ」は想像以上の重荷だったという。
待機による企業や施設などでの人手不足が顕在化したため、政府はオミクロン株の特性を踏まえて徐々に濃厚接触者の待機期間を緩和。17日には濃厚接触者の待機期間を最短で5日目に解除できるとし、感染対策された一般の事業所では、濃厚接触者の特定をしない方針に改めた。
時短営業や酒類提供の制限が要請された飲食店からは、重点措置の効果に懐疑的な声も上がる。
「換気設備は一般的な居酒屋よりしっかりしている。一律の対応しかないのはつらい」。大阪市西区で「ひとり焼肉一(いち)」を運営するサトムラ(同市港区)の担当者は訴える。
同店は全席がカウンターで、客の大半が1人で来店。スマートフォンからの注文やセルフレジの導入で、客と従業員との接触を減らす工夫をしてきた。
時短営業などの影響で客は減った。担当者は今後も要請があれば従う方針だとした上で、「時短による感染拡大防止の効果を数字でみせてほしい」と話した。(桑村大、小川原咲)































