東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」(TX)の運行会社が3月中旬、埼玉県内の駅で電車が定刻より16秒早く発車するミスがあったことを謝罪した。世界一ダイヤに正確といわれる日本の鉄道だが、SNSには「実に日本らしい現象」「気づく人いないでしょ」などと驚く反応が相次いでいる。たった16秒にもかかわらず、なぜ鉄道会社が謝罪する事態になったのか。それには理由があった。
「これは問題なのか」と海外で報道されたことも
つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区)によると、電車が定刻より早く発車したのは3月16日午前8時37分ごろ。八潮駅(埼玉県八潮市)に同36分10秒に到着した秋葉原行きの区間快速電車が、定刻の37分50秒より16秒早い37分34秒に出発したという。
電車は発車メロディーが鳴る前に出発しており、運行管理システムから、定刻よりも早く発車する「早発」が発覚。乗り遅れた客はなく、苦情も寄せられていないが、首都圏新都市鉄道はホームページに「お詫び」を掲載して利用者に謝罪した。運転士の確認不足が原因といい、同鉄道は乗務員に基本動作を徹底するよう指導したとしている。
正確なダイヤを売り物にする日本ならではの「お詫び」といえるが、つくばエクスプレスでの早発は今回が初めてではない。2017年11月にも定刻より20秒早く発車する早発があり、同様に陳謝していた。当時、これに関心を示した欧米メディアは、日本の鉄道が時間に正確なことを印象付ける出来事として相次いで報道。遅延が常態化している米国ニューヨークの大衆紙は「これは問題なのか」とむしろ好意的に取り上げた。
SNSのツイッターには、今回の謝罪について「たいした事ないんじゃない?」といった声が寄せられている。乗客が目にする駅の時刻表には発車時刻が分単位で記載されているため、「細かく秒まで決まってるのね」と驚く人や、「16秒早くなったとして気づく人いないでしょ」「5分なら問題だがそんなもん早発にはならんよ」という反応も散見された。
たった16秒の早発をなぜなぜ謝罪したのか。