上の世代の年金は手厚いが…
桶井さん
たぱぞうさんの方が、退職時期が私よりお若いので少し差はありますが、私はねんきんネットで試算したら月に11万円と出たのでほぼ一緒ですよね。昭和前半生まれの「納め得」の世代と、それ以降に生まれた私たちのような不利になった世代では、老後の人生設計も当然変わってきますね。
たぱぞうさん
その通りですね。上の世代の年金は手厚いですよ。退職金を年金上乗せにしている場合、公務員の平均年収よりも多くもらっている人もいますから、そういった人たちにやれ貯蓄だ、やれ投資だと言っても響かないのは当然です。
現役世代が納めた保険料がそのときの年金受給者への支払いに充てられる「賦課方式」というのは、こういうことなんだろうと思います。私たちは、自分の将来の年金受給額を試算しながら、自分の将来像がどうなっているのか考え、資金を投資に回していくことです。私たちの世代なりの常識で生きていくことが重要です。
《貯金や投資をするための資金はどうやって捻出するのか。例えば、マイボトルを携帯して飲み物代を節約するという人もいるだろう。無駄な保険を見直し、携帯電話も格安SIMを利用するなどして固定費を圧縮するというのも手かもしれない。とはいえ、節約ばかりでは息が詰まりそうだが、2人の場合はどうだったのか》
桶井さん
マイボトルは学生の頃から持っていました。当時は、ジュースをガブガブ飲むと健康に良くないだろうという意識からマイボトルを使っていました。社会人になってからは節約を強く意識するようになりました。コンビニもなるべく行きません。コーヒー代も含めると1日500円くらいの節約になるでしょう。
サラリーマン生活を43年としたら、その500円の節約を43年間続けることで785万円くらいの節約になります。
ということは、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とした、いわゆる「老後資金2000万円問題」の3分の1以上を、マイボトルだけで賄えてしまうんです。1日500円の節約で毎月1万5000円。もしこれを年率で利回り5%の投資に回し、運用益を再投資して43年間継続したとすると、2700万円くらいになって、これだけで「老後2000万円問題」は解決するんですね。少し見方を変えれば、2000万円問題はそんなに難しくないと、私は思っています。
一攫千金とか近道を考えると、そこには落とし穴が少なからずありますので、年月と複利を味方にすることが大切ですね。
たぱぞうさん
私もほとんど、おけいどんさんと一緒の考えです。僕もおけいどんさんも、小さい頃から、なかなかお金を使わない生活をしていたのかなと思います。例えば、地域のお祭りがあって、夜店に焼きそばや綿あめが500円とかで売られているわけですけども、僕らは地元の友達と一緒にお祭りに行っても、やっぱり高いという認識なんです。お祭りでは、ずっと友達とおしゃべりするだけで、帰りに近所のラーメン屋さんで、ラーメン1杯食べて帰るわけです。親からお小遣い1000円もらったとして、その1000円を使うんだったら、700円のラーメンを食べた方がいいな、という感覚です。
なぜかということなんですけど、たぶん、自分で価値の分からないものにお金を使いたくなかったんだと思います。同年代と価値観が合わなかったのは、まずタバコですね。なんで500円くらいかけてこんなもん吸うのかなと思っていました。
もう1つはクルマですね。人によってはクルマがないとナンパできないとか、女の子と付き合えないという人もいましたけど。僕は学生時代、下宿をしていましたので、クルマ文化ではなかったということもあります。結婚して子供が生まれて、保育園の送り迎えで必要に迫られるまではクルマを買わなかったですね。
人生のプライオリティを若いうちに固めておくことが大事なのかなと思いますね。いちばんお金を入れていたのは株ですね(笑)。あとスノーボードも好きでしたので、それにも使いましたね。就職してから同期と一緒にフットサルチームに参加しましたが、あれって激安の趣味なんですよね。10人くらい集めてコート代を出し合うと、1人100円くらいで済むんです。シューズも5000円程度ですし、なんと素晴らしいスポーツなんだと思いました(笑)。安いということもあって、フットサルは今も続いている趣味です。だってゴルフとは大違いですから。これは自分に相応しいなと思いました。1回100円ですからね(笑)
ただ、年を取って経営者仲間が増えてくると、ゴルフに誘われることも増えました。ゴルフを介して広がる関係があるので、そういう付加価値をどう評価していくかという視点も大事ですね。