全て節約ではなく、何か1つ贅沢を
桶井さん
1回100円!ハハハ(笑)。ただ、節約も大事ですが、私は若い時にできる経験も大事だと思っているので、全て節約とは思っていません。とはいっても、AもBもCも全てマックスで楽しんで、多くのことで満たされようとすると、それではちょっとお金が貯まりません。どれか1つに絞って、しっかりと満足して、人生を楽しむという考え方がいいのではないかと思います。
私は20代の頃、仕事がかなり忙しく、遊んでいる時間がありませんでした。オリンピックのアスリートをボランティアでサポートしていたんですが、それで満たされていたのかなと思います。30代前半になってくると少し余裕が出てきて、ライブハウスで弾き語りの音楽を聴いて楽しんでいました。といっても、週に1回行く程度で、1回につき2500~3000円程度の趣味です。30代後半は沖縄にはまっていました。毎年のように沖縄に行って、読書をして過ごしたり、あるいは何もしない時間を作ったり、そんなことをしていました。
40代になると、ザ・リッツ・カールトンのようなラグジュアリーホテルでお茶することが好きになりました。会社帰りにホテルのバーでのんびりしたこともあります。日々の飲み物はマイボトル、飲む “こと”にお金は使いません。
一方で、そこで過ごす時間にはお金を使います。しょっちゅう行かなくとも、最高の時間を過ごせば、月1~2度でも満たされるものです。残念ながら今は新型コロナウイルス禍の影響でそれができない状態ですが、そのときどきに何か大きな趣味を1つ持っていて、それ以外のことにはお金を使わない。何か1つの欲を満たして、他の欲をそれで制するということをしてきました。節約のための節約では続きません。全部節約、全部我慢ではなく、何か1つ心を満たすものを作る。
逆に言えば、いろんなことを節約して、何か1つのことで思いっきり贅沢(ぜいたく)をするということだと思います。三つ星ホテルではなく、五つ星のホテルに行くわけです。FIREも、節約することで贅沢する、という最終的なアウトプットです。
社会人が学び直す「リカレント」にお金をかけることも大切だと思っていて、FIREしてからはなるべく読書をするようにしています。たぱぞうさんも6冊ご著書を出しておられますけど、ほぼ全て読ませていただいています。
たぱぞうさん
それは、ありがとうございます。おけいどんさんの本も、もちろん読んでいます。
普通の会社員が47歳で貯蓄1億円に…経済的自立を目指す「FIRE」達成の極意
※この5回の対談のなかで具体的な銘柄および各種投資法に言及していますが、投資に関するあらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願いいたします。ご自身の資産運用などにおいて損害が発生した場合、SankeiBiz編集部並びに対談に登場するたぱぞう、桶井道の両氏は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
《FIREを達成した2人は、節約の仕方にもさまざまな工夫を加えてきたようだ。27日掲載予定の2回目では、どうやって投資の第一歩を踏み出せばいいのか語ってもらった》