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消費税20%台へ? 令和4年度国家予算「戦後2番目のスピード承認」の背景

令和4年度(2022年度)の国家予算の審議があっという間に承認されたことをご存知でしょうか? 戦後2番目の早さと話題になりました。行政年度は4月1日から3月31日までとなり、予算が審議されるのは年度末にあたる2月、3月です。ところが、新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻などで、予算審議のニュースを見かける機会が少ないまま、スピード感のある審議可決となりました。急いで決めた背景は何かあるのでしょうか? 今回は改めて日本の国家予算について考えます。

※画像はイメージです(GettyImages)
※画像はイメージです(GettyImages)

日本という働き方に例えられる国家予算の内実

国家財政というと、なんだか難しい印象がしますね。自分ごとには思えない人が多そうです。言葉だけで興味を失う人が増える懸念からか、国家財政を家計に例えて説明することが一般的になっています。

令和4年度の国家予算は107.6兆円。そのうち、医療・介護保険、公的年金などの社会保障関係が36.2兆円と最大の支出です。各自治体に配られる地方交付税交付金等は15.8兆円、国債の返済が24.3兆円で、そのうち国債自体の返済が15.6兆円、利払いが8.2兆円です。他に教育費に相当する文教及び科学侵攻費が5.4兆円、国を守るための防衛関係費が5.4兆円です。

個人の支出に例えると、年間支出が1076万円だと思えばいいでしょう。社会保険料が362万円、住民税が158万円、ローンの返済が243万円、312万円が生活費に相当すると考えてみると馴染みやすいでしょうか。生活費も教育費が54万円、セキュリティ費用が54万円とかなりウエートが大きく月収85万円にも関わらず、自由に使えるお金がない状況です。

支出に対応する収入はどうでしょう。日本の税収は65.2兆円、予算の107.6兆円には40兆円以上足りません。年収652万円にもかかわらず、1076万円使っている状況です。不足分は国債を発行することで賄っていますが、これは、誰かからお金を借りている状態です。

年収652万円で、1000万円の支出が続けられる秘密は、国債発行という打ち出の小槌の存在です。国民からすれば消費者金融から都度借りているのと同じです。もしくはリバースモーゲージを活用している状態といえばいいのかもしれません。リバースモーゲージは自宅を担保に金融機関からお金を借りて、亡くなったら自宅を売って借入を返済する仕組みです。ここで問題なのは、国家は個人ではありませんから、亡くなることがないこと。亡くならないなら、永久にお金を借り続けることも不可能ではありません。

日本の財政を立て直すには2つの方法がある

読者の方はすでにお気づきと思いますが、日本の財政を改善する方法は大きく2つ有り、組み合わせを含めれば3通りあります。

まず、一番最初に思い浮かぶのは予算削減では無いでしょうか。財務省のWEBサイトでは、プライマリーバランスといって、税収(歳入)―支出(歳出)が20兆円の赤字になっていると記載されています。ただし、すでに40兆円足りないと記載しましたので、年間40兆円足りないと考えてください。

節約に相当する歳出の削減する場合、大きな予算から手を付けるとすると、社会保障費36.2兆円にメスを入れる必要がありそうです。単純に、年金制度を廃止、医療介護保険制度を廃止、生活保護などの福祉制度を全廃すれば、直ちにプライマリーバランスは黒字に近づきます。

一方で、社会保障費をゼロにすると、私達が怪我や病気で医者にかかったときの自己負担が10割になります。高額療養費制度もありませんので、お金がなければ治療ができない状態に陥ります。しかし、社会保障費の給料からの天引きがなくなりますから、手取りが2割程度増えそうです。

他にも自治体に配られるお金である地方交付税交付金も減らせば、国家予算はさらにゆとりが出てきます。未だに全国で展開されるハコモノ行政では、耐震性を理由に老朽化設備の建て替えられたり、施設が建設されています。自治体数や地方公務員数を減らして、行政サービスの質と量を落とせばある程度予算を削ることはできそうです。すでに質が落ちていると考えられる教育分野から、今後は警察、消防などの予算が減ることもあるかもしれません。

個人の家計であれば、節約というのはいつでも簡単に取り組めますから、家計改善の手始めとしては最適です。しかし国家財政の場合は、予算を減らせば予算による恩恵を受けていた人たちの反対に合うことは目に見えています。したがって、予算を減らすのは大変です。国会議員が自らの報酬を下げようとしないことからも、既得権の打破は非常な困難であることをおわかりいただけるかもしれません。


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