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東芝の再建策、3シナリオとも「いばらの道」

東芝が24日に開いた臨時株主総会では、多くの株主が東芝の会社分割や非中核事業売却を柱とする再編計画に不満を持っている現状が鮮明になった。東芝の経営再建は、さらなる軌道修正を迫られた。ただ、一部の株主が提案した株式の非公開化に進む場合も、技術流出や従業員解雇といった問題が付きまとう。現状維持を含め、いずれもいばらの道となる。

臨時総会の結果を踏まえ、東芝は近く取締役会で今後の対応方針を決める。東芝が取り得るシナリオは3つに大別される。

ひとつは分割計画の修正だ。臨時総会では、規模を生かした効率的な経営などコングロマリット(複合経営)の利点を指摘する意見が出た。空調や昇降機など3事業が安定的に収益を生み出しているにもかかわらず、非中核事業に選別されたことに対する批判も目立った。修正の際はこれらの意見への配慮のほか、情報開示の充実も求められる。

非公開化はファンドなどに株式を買い取ってもらい、上場廃止にした上で、再起を図る手法だ。物言う株主に振り回されることなく、再建に専念できる利点がある。ただ、東芝は昨年夏から秋にかけてファンド5社と接触し、買収の可能性を探ったが、断念した経緯がある。外為法や世界各国の独占禁止法により、何らかの制限を受ける可能性が障害となった。東芝の得意先である公共セクターの顧客離れも懸念された。

第3の道は現状維持だ。これも物言う株主の支配の下、さらなる事業や資産の切り売りを迫られ、「東芝解体」が加速することが考えられる。

法政大の真壁昭夫教授は「会社提案の分割計画と株主提案の非公開化は相反する考え方で、落としどころを探るのは非常に難しい」と話している。(米沢文)


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