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「やまびこ」脱線、上り列車走行中なら衝突もあり得た 新幹線の地震対策は大丈夫か 

今月16日午後11時36分ごろに発生した福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震では、宮城県と福島県5つの市町村で最大震度6強を観測した。東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の余震域で発生した地震だが、気象庁は個々の地震が余震かどうかの判断が難しくなったとして、昨年4月以降「余震と考えられる」との表現をやめている。ただ、仮に余震だったとすれば、2011年4月7日に発生したマグニチュード7.2の地震、昨年2月に発生したマグニチュード7.3の地震を上回る、最大規模の余震だったことになる。

地震対策の肝とは

地震は鉄道にも甚大な影響を及ぼした。東北新幹線は震源に近い福島~白石蔵王間で高架橋柱が損傷し、付近を走行中の仙台行き「やまびこ233号」が脱線。新白河~盛岡間で土木設備60カ所、電柱79本が被害を受けるなど、合計約1000カ所に被害を受けた。

これは東日本大震災の約1200カ所、2021年2月の余震の約940カ所の被害に匹敵するものであった。実際、JR東日本によると白石蔵王付近の揺れの強さは東北地方太平洋沖地震と同程度だったという。

損傷した高架橋柱は、高架橋を仮受けしながら補修または再建が可能なので高架橋そのものを1から作り直す必要はない。それでも脱線した車両の撤去や設備の仮復旧に時間を要するため、全線での運転再開は4月20日ごろになるとの見通しだ。

新型コロナウイルス対策として東京や大阪など18都道府県に適用されていた蔓延(まんえん)防止等重点措置が解除され、新幹線の利用回復が見込まれていただけに、JR東日本にとっては大きな痛手になった。それでもなんとかゴールデンウィークまでには間に合わせたいというのが本音だろう(ただし運転再開後もしばらくは速度制限や減便などの措置が取られると思われる)。

震災から11年が経過し、新幹線の地震対策は進んでいるのか。新幹線の地震対策は1995年の阪神・淡路大震災で山陽新幹線高架橋8か所が落橋する大損害を受けたことで本格化。教訓を踏まえ鉄道施設の耐震基準が強化されることになった。

また耐震性能についても、従来は震度6弱程度の地震で「構造物を崩壊させない」としていたところを、震度5程度の中規模地震では構造物を損傷させず、震度6強~7程度の大規模地震においても、「早期に機能回復させるため、構造物の被害を軽微な損傷に留める」に改めた。

この基準が示しているように、新幹線の地震対策とはどのような揺れでも一切、構造物に被害を受けないことを目的としたものではない。阪神・淡路大震災は新幹線の運行開始前に発生したため、幸い人的被害はなかったが、走行中の高架橋が崩れれば甚大な被害が発生する。第一にはそのような致命的な事態を防ぎ、第二には早期に運転再開が可能となる軽微な損傷に留めることが地震対策の肝である。


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