• 日経平均00
  • ドル円127.85127.86

バイデン氏、けむに巻く「戦略的曖昧さ」で対応か

【ワシントン=渡辺浩生】ロシアがウクライナで化学兵器を使用した場合、報復する可能性に言及したバイデン米大統領は、具体的な報復措置に関し「使用(兵器)の性質による」と、けむに巻いた。出方を曖昧にすることで、プーチン大統領にさまざまなシナリオを想起させ、大量破壊兵器使用を阻止させる「戦略的曖昧さ」が米政権内で採用された可能性がある。

NATO首脳会議に出席するためブリュッセルに到着したバイデン大統領=23日(ロイター)
NATO首脳会議に出席するためブリュッセルに到着したバイデン大統領=23日(ロイター)

プーチン氏は侵攻の直前から、生物・化学兵器や核兵器の恐怖をちらつかせることで、米国や北大西洋条約機構(NATO)の介入を未然に阻止し、ウクライナにおける通常戦争を短期間で勝利に導くことを想定した可能性がある。

しかし、侵攻1カ月が過ぎても、西側の軍事支援を受けたウクライナ側の反撃により、首都キエフ制圧など「当初の戦略目標は何ひとつ達成できず、プーチン氏はいらだちを強めている」(国防総省のカービー報道官)のが実情だ。犠牲者が続出し、兵士の士気が低下する現状の好転、あるいは停戦交渉を有利にするため、大量破壊兵器の使用を決断するとの懸念が高まっている。

24日付の米紙ニューヨーク・タイムズによれば、不測の事態への対処策を検討するため、ホワイトハウスには国家安全保障スタッフの特別チーム「タイガーチーム」が編成された。

米国や同盟国が軍事介入に踏み切る「境界線」も議論。高官は同紙に、ロシアが小型戦術核を使用すれば「戦争に巻き込まれない」西側の方針が「すべて白紙になる」と語った。

一方、前駐ウクライナ米国大使のウィリアム・テイラー氏は24日、FOXニュースに出演し、化学兵器攻撃を行った露軍部隊を巡航ミサイルなど通常兵器でたたくことは「相応の対応と思う」と語った。

プーチン氏の暴走次第で核保有国への報復という未曽有の現実に西側は直面する。同じように大量破壊兵器の恐怖で、現状変更を試みる中国や北朝鮮がその行方を注視している。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)