その後、SixTONESがYouTubeオンリーで初のMV『JAPONICA STYLE』を発表し、BTSらとともにアーティスト・プロモ・キャンペーンに抜擢されたことを皮切りに(キャッチコピーは「ジャニーズをデジタルに放つ新世代。」!)、ジャニーズ・タレントのネット上への露出は現在まで右肩上がりで増え続けている。
2020年代の現在、スマホで彼らのMVを見ることはすでに当然の状態となっているわけだが、しかし、ネット環境に対応したこのような運営体制は、ここわずか3〜4年で構築されたものなのだ。
翻って見ると、たとえば、ジャニーズ・グループのコンサートを観劇するためにはほとんど必須とも言える「ファンクラブへの入会」は、2016年初頭までは、まだ全面的に「郵便振替」で受け付けていた、という驚くべき事実がある。
ファンは郵便局に行き、郵便振込払込用紙にファンクラブ名、住所・氏名・電話番号などを記入し、年会費(入会金¥1000・年会費¥4000)を入金。その後、事務所から自宅に会員証が郵送されてくる……というかたちでファンはファンクラブに入会してきたのであった。
さらに言うと、コンサートのチケットを入手するための方法、および、その代金の支払いも、ずいぶんと最近までアナログな手続きでもってなされていた。今回、この原稿を書くために古参のファンに確認したところ、各グループごとに差はあったものの、たとえば、2016年の「Welcome to Sexy Zone Tour」の入金手続きはまだ完全に「郵便振込用紙」によってなされていた、ということが確認できた。コンサートの席が取れるかどうかは抽選で決まるのだが、申し込みは完全先払い制。落ちた場合は「払出証書」が届くので、それを持って再び郵便局に行き返金してもらう、と言うシステムなのである。
スマホでポチってなんでも買っちゃう世代にとって、これはかなり面倒な手続きだと思う……のだが、このハードルの高さこそジャニーズのジャニーズたる所以だったとも思う。<続く>