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好調の中国EV市場に水差すウクライナ危機

【北京=三塚聖平】中国市場で、新興メーカーが電気自動車(EV)の値上げに動いている。中国メディアによると、3月に入ってから20社弱が値上げを実施。昨年から続く原材料価格高騰がメーカーの体力を奪っているためだ。ロシアのウクライナ侵攻を受けた希少資源の調達懸念が今後に影を落としており、成長が続く中国EV市場に水を差す恐れがある。

車両価格を値上げした中国メーカー、広州小鵬汽車科技の電気自動車(三塚聖平撮影)
車両価格を値上げした中国メーカー、広州小鵬汽車科技の電気自動車(三塚聖平撮影)

「自動車業界で『値上がり』は流行語になっている」。中国紙の第一財経日報は22日、EVなどの新エネルギー車メーカーの多くが値上げに踏み切ったと報じた。同紙などによると、中国の新興EVメーカーで存在感を誇る広州小鵬(シャオペン)汽車科技は21日、自社製品の価格を1万100~2万元(約19万~38万円)引き上げた。会員制交流サイト(SNS)では、小鵬が無料充電の権利取り消しなども行うと伝えられておりユーザーの負担は大きい。

中国の主要EVメーカーで値上げを宣言していないのは少数派だという。また、米テスラは「わずか1週間の間に3回も値上げを公表した」(第一財経)。

値上げの主因は原材料価格の高騰だ。昨年来、EVに欠かせない車載電池の値上げが進み、半導体も供給不足による調達難が続く。EVメーカーは利益が圧迫されており、製品価格に転嫁せざるを得ない状況だ。

泣き面に蜂になるのがウクライナ危機だ。ウクライナは希少資源の産出国であり、半導体の製造に欠かせないネオンでは世界生産の70%近くを占めている。北京日報(電子版)は「ロシア・ウクライナの衝突激化に伴い、ネオンやパラジウムなど多様な原材料の国際的な供給が乱されるだろう」と指摘する。

現時点で、影響は新興EVメーカーに集中しているもようだ。北京の自動車業界関係者は「新興メーカーは部品調達網などで、大手と比べると弱い部分があるため影響が大きいのではないか」という見方を示す。

注視されるのは中国EV市場への影響だ。中国自動車工業協会によると、EVなどの新エネルギー車の2021年の新車販売は前年比約2・6倍の352万台と過去最高を更新。中国政府による後押しを背景に大幅な伸びが続いており、同協会は昨年末、22年は500万台になるとの見通しを示している。ただ、ウクライナ危機で原材料価格高騰がさらに進めば、下押し圧力になることが避けられない。


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