【ワルシャワ=三井美奈】欧州を訪問中のバイデン米大統領は26日、ポーランドの首都ワルシャワで、同国のドゥダ大統領と会談した。バイデン氏は会談で、北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛義務を定めた条約5条は「神聖な責務」だと述べ欧州防衛への米国の関与を約束した。
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バイデン氏はまた、「米国が世界で役割を果たすためには、欧州の結束が基盤になる。プーチン露大統領は東西を分断しようとしたが、実現できなかった」と指摘した。ポーランドがウクライナからの難民を受け入れ、人道支援で重要な役割を果たしているとたたえた。
ドゥダ氏は、ロシアの脅威が増大する中、欧州安保で米国が指導的役割を果たすことに期待感を示した。バイデン氏は会談後、ワルシャワで難民受け入れ施設を視察した。
バイデン氏は同日、ドゥダ氏との首脳会談に先立ち、ウクライナのクレバ外相、レズニコフ国防相とも会談した。米国からはブリンケン国務長官とオースティン国防長官が同席した。米ホワイトハウスによると、ウクライナに対する米国の防衛、人道支援が議題となった。クレバ氏は記者団に対し、米国から「さらなる関与の約束を得た」と述べた。
バイデン氏は25日、ブリュッセルから、ポーランド入りした。ウクライナ国境に近い南部ジェシュフで、現地に駐留する米陸軍82空挺(くうてい)師団を激励した。将兵らに向けてバイデン氏は「あなた方は、民主主義と(プーチン露政権を支える富裕層)オリガルヒとの戦いの中心にいる。民主主義か、強権国家か。どちらが勝つかという問題がかかっており、非常に重大だ」と述べた。欧州には現在、米軍約10万人が駐留している。