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ビジネスパーソンに保護犬との出会いを 「犬材派遣会社」を立ち上げた獣医の思い

動物と人を対等な関係に

そんな状況を変えたいとの思いで踏み切ったのが犬材派遣会社の起業。保護犬を登録犬として飼育し、心理的な安全の確保と再度人間と触れ合えるようにケアした上で、犬好きの人の元へと派遣する取り組みだ。人々の生活に保護犬を送り込み、保護犬に対するイメージを改善しながら出会いがあれば譲渡につなげる。非営利活動でなく、敢えてビジネスの形を選んだのは「資金的に自立することで、持続可能で拡張性がある仕組みを作りたかった」からだ。

寺田かなえさん。Buddies代表取締役。獣医師。ペット栄養学講師。東京大学農学部獣医学専修卒。日本起業アイディア実現プロジェクト主催「第6回女性起業チャレンジ制度」グランプリ(2020年)。旭化成グループアクセラレータープログラム「LIFE CO-LAB」採択(2021年)。生まれた頃から飼われていた保護犬を「姉」と呼び、家族同然の関係で育った経験がいまの活動のベースとなっている(SankeiBiz編集部)
寺田かなえさん。Buddies代表取締役。獣医師。ペット栄養学講師。東京大学農学部獣医学専修卒。日本起業アイディア実現プロジェクト主催「第6回女性起業チャレンジ制度」グランプリ(2020年)。旭化成グループアクセラレータープログラム「LIFE CO-LAB」採択(2021年)。生まれた頃から飼われていた保護犬を「姉」と呼び、家族同然の関係で育った経験がいまの活動のベースとなっている(SankeiBiz編集部)

六本木というロケーションを選んだのにも理由がある。「外国人や情報感度の高いビジネスパーソンが多い都会に送り込むことで、保護犬の認知とイメージアップを行いたい」という寺田さん。東京で保護犬のイメージが向上すれば地方にも波及させることができ、ひいては保護犬という選択肢の認知が広まり、譲渡率の向上につながると考える。

欧米各国ではもはや動物をペット(愛玩動物)とは言わず、対等な存在である「コンパニオンアニマル」(伴侶動物)と呼ぶ。寺田さんによると、こうした国では保護犬に対する理解も広く浸透し、飼育の対象として積極的に保護犬を選択する動きも高まっている。これに対し、日本ではいまだにペットショップ等を介して血統書付きの犬を売買する習慣が根強く、保護犬は「なつかない」「かわいそう」といった負のイメージで見られることも少なくないという。

「動物を下に見る考え方が変わらない限り保護犬をめぐる現状は変わらない」と指摘する寺田さん。「動物好きの人が動物を一方的に助けてあげる社会ではなく、人と動物が互いにwin-winな関係性で共存できる社会を実現したい」と思いを強くする。コロナ禍で控えていた福祉施設やオフィスへの犬材派遣も今後少しずつ再開していく予定で、「保護犬たちが自ら生きていく糧を得ながら、社会化の練習や譲渡の機会を得られる仕組みを広げていきたい」としている。


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