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環境、生物多様性、地域活性化…社会課題に挑む東急不動産ホールディングス サステナブルな社会と成長の実現へ

東急不動産が経営に参画する「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」でスタートしたマリンアクティビティ「クマノミと瀬良垣島の海を学ぼう!」の様子。
東急不動産が経営に参画する「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」でスタートしたマリンアクティビティ「クマノミと瀬良垣島の海を学ぼう!」の様子。

緑豊かな田園都市を原点に、新興企業や先端スポットを惹(ひ)きつける渋谷エリアの開発、環境先進マンション「BRANZ」の販売など、新たな価値を提案し続ける東急不動産ホールディングス。「住む・働く・過ごす」という暮らしの全シーンに関わってきた同社は今、サステナブル(持続可能)な社会の実現にも挑んでいる。気候変動対策や地域活性化などの課題に対し、事業活動を基に住人やテナント、パートナーと手を携えて解決を探り、社会と企業の双方が成長する好循環の構築を目指す。

瀬良垣島・クマノミ育成プロジェクト

沖縄県恩納村の美しい海に囲まれたラグジュアリーリゾートホテル「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」。本島と海中道路でつながる瀬良垣島全域で構成される自然に溶け込んだこのリゾートで昨年12月、サンゴ礁に生息する海水魚クマノミをテーマにしたマリンアクティビティがスタートした。

本島と一つの海中道路でつながる「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」
本島と一つの海中道路でつながる「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」


「このイソギンチャクに、育成したクマノミが住んでいるんです」。ホテルからわずか数十メートルの海をシュノーケリングで観賞していると、インストラクターが海底を指した。鮮やかなオレンジ色の体が海中で目を引くクマノミは、映画「ファインディング・ニモ」にも登場し、その愛らしさでダイバーの人気を集める、生態系の維持にも大切な存在だ。しかし近年は温暖化や開発の影響で個体数の減少が懸念される。

「クマノミと瀬良垣島の海を学ぼう!」と題したアクティビティは、この状況への理解を深めるレクチャーから始まる。SDGs(持続可能な開発目標)の一つ「海の豊かさを守ろう」に貢献するため、ホテルが沖縄科学技術大学院大学(OIST)の海洋気候変動ユニットと連携して実施する瀬良垣島・クマノミ育成プロジェクトを紹介。参加者は孵化(ふか)・飼育、放流までのクマノミの育成過程などを学んだ後、周辺の育成スポットでシュノーケリングやダイビングを体験する。充実したプロブラムに「背景や生態を知ると、単なるかわいさ以上の愛着を感じた」と感想が寄せられる。

昨年からスタートした放流では、ホテル近くの育成スポットにすでに住みついているクマノミも。OISTの研究員は「この海に定着して繁殖し、自然に個体数が増える環境をつくりたい」と語る。

ホテルは「沖縄の観光業の前提にあるのは豊かで美しい自然。SDGsの活動に関わり、お客さまにも身近に考えてもらうきっかけを提供したい」と話した。

ステークホルダー参加型の森林保全

ホテルの経営に参画する東急不動産ホールディングスの松本恵・サステナビリティ推進室長は「東急不動産には自然と共生する事業活動がDNAとして根付いている」と説明する。同社のルーツは約1世紀前、当時の住宅不足を解消するため、庭園と共存する街として田園調布(東京)を開発した事業にある。時代によって社会の要請は変化してきたが、事業を通じて大きな課題の解決に挑戦する精神は今も受け継がれる。代表例が2011年から続く「緑をつなぐプロジェクト」だ。

このプロジェクトでは、生物多様性や災害防止など都市開発にも重要な機能を持つ森林の保全を目的に、BRANZ購入者の部屋面積や、テナントのオフィス利用人数に応じて間伐や植樹を行う。間伐した木材は建材として利用するなど循環型のサイクルを確立し、これまでの森林保全面積は約1850万平方メートル(2021年3月時点)に上る。

国連が2015年に採択したSDGsに先駆け、17の目標の一つ「陸の豊かさも守ろう」を実践していた格好だが、当初から世の中の関心を集めたわけではない。住人や企業などステークホルダー(利害関係者)参加型として徐々に理解を浸透させていくなか、「SDGs達成への要請が高まり、最近は社外の企業や団体からもプロジェクトとの協働を検討する動きが出てきた」(同社)。

スタートアップやブランド引き付ける広域渋谷圏の街づくり

長期的な視点で手掛ける、代官山や恵比寿、原宿、青山まで含んだ「広域渋谷圏」の開発でも、“陸の豊かさ”を維持する大規模な緑化を進めている。例えば、アパレルショップやカフェが入る「東急プラザ表参道原宿」は、隣接するケヤキ並木と調和するよう屋上テラスに高木を植樹した。

2012年の開業以降、定期的に飛来する鳥や生息する虫の種類を調べ、樹種を入れ替えるなど周辺の生物多様性の保全に努める。調査に参加してきた松本室長は「建物緑化の説明会を開き、地域住民に興味を持ってもらえ、理解につながったことがうれしかった。個人的にも苦手だった虫をかわいらしいと思うようになった」と笑う。

自然との共生を保つ一方で、街のサステナブルな発展に向け企業やブランドを引き付ける態勢も整える。スタートアップ向けのスモールオフィス・コワーキングオフィス「GUILD(ギルド)」を展開して大企業との連携や会員同士の交流をサポートし、イノベーション(技術革新)の創出を後押ししている。

カーボンニュートラルと地域活性化

地域活性化にも貢献している。同社は再生可能エネルギー事業「ReENE(リエネ)」で、北海道から鹿児島まで全国79カ所の発電所を展開。これにあわせて東京ガスなどとともに、再エネと地域の相互発展を目指す枠組み「FOURE」も立ち上げた。再エネ発電所が立地する自治体の多くは地方にあり、地域経済の低迷や人口流出などの課題に直面している。同社はFOUREを事業者と自治体や住民がともに活性化策を検討する場にすることを目指す。これまでに再エネに取り組む23社・団体が参加し、カーボンニュートラルとともに地域の課題解決に挑んでいる。

松本室長は「(自治体など)ステークホルダーと協働することで、1社では限界のある活動の可能性が大きく広がる」と狙いを語る。

SDGs達成への機運が高まるなか、同社は昨年5月に2030年度までの長期ビジョンを策定し、環境経営やパートナーとの共創をベースに社会課題に向き合う姿勢を改めて打ち出した。事業を通じて「サステナブルな環境をつくる」「ウェルビーイングな街と暮らしをつくる」「多彩なライフスタイルをつくる」など6つのテーマの解決策を提案するなかで、SDGsにも貢献する考えだ。

2人の子供を育てる松本室長は「SDGsがゴールとする2030年を通過点として50年、100年と続く未来に向けた私たちの役割は大きい。未来世代に課題を残さず、幸せに暮らせる世界にしてバトンを渡すのが願い」と語った。

提供:東急不動産ホールディングス



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