東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」(TX)で2019年、自動運転の電車の運行を管理するシステムの大元の時計が約1カ月間にわたり0.2~5秒ズレていたことが29日、関係者の話で分かった。運行会社はSankeiBizの取材に事実関係を認めたうえで、発車メロディーの鳴動が最大5秒早まった可能性が高いとしている。
運行システムの時刻の狂い32日間
関係者によると2019年3月29日、茨城県つくば市のつくば駅で、乗務中の運転士が発車メロディーの鳴るタイミングが通常より早いことに気付き、運行を管理する総合指令所に報告して発覚した。
つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道(東京)によると、その後の調査で運行を管理するシステムの電波時計の時刻が正しい時刻よりも約5秒早かったことが判明。茨城県守谷市のつくばエクスプレス総合基地では同年2月26日、電波時計の電波を受信するアンテナの施工工事が行われていたため、同社はアンテナの施工工事に起因して時刻のズレが生じ、運行管理システムの時刻が徐々に早まっていたと推測している。3月29日までの32日間にわたり、運行システムの時刻に狂いが生じていたとみられるという。
つくばエクスプレスでは基本的に全列車が自動運転。運行を管理する総合指令所の指令員は運行管理システムに表示された時計に基づいて運転士などに指示を出していた。駅の発車メロディーも運行管理システムによって自動的に鳴るようになっている。