生産性の向上に貢献 メタバースベンチャーが働き方改革を後押し

    デロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「MorningPitch(モーニングピッチ)」というイベントを東京・大手町で開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげることを狙いとしています。

     モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回はメタバース、NFTです。


    バーチャルオフィスでの利用が活発化

    メタバースの定義・概要
    メタバースの定義・概要

    メタバースとはインターネット上の仮想空間のことで、利用者が活動できる空間のことを指します。

    (1)他者と交流したり空間を共有したりできる

    (2)多数の空間の集合体になっている

    (3)大人数が参加できる

    (4)自分のアバターを使って参加できる

    といった点が特徴で、ゲームやイベント、ビジネスの領域で活用が進んでいます。NFT(非代替性トークン)はブロックチェーン(分散型台帳)上でひも付けられ、唯一無二のデジタル資産であると証明できるモノです。

    メタバースの動向をみると、ビジネス面では、仮想空間の共有によって在宅でも社員同士のコミュニケーションを取りやすくなるという理由から、バーチャルオフィスとして利用されるケースが顕在化しています。IT企業による導入の動きも活発です。Meta(メタ、旧Facebook)は「HorizonWorkrooms(ホライズン・ワークルーム)」というバーチャル会議室サービスを立ち上げたほか、マイクロソフトはチャットツールのTeams(チームズ)を拡張し、2D・3Dアバターで会議に参加できる「MeshforTeams」を2022年から順次投入する計画です。


    独自の経済圏が成立。2024年の世界市場は90兆円に

    メタバースには厳密な定義がありませんが、さまざまな特徴を備えています。まず仮想空間にありながらオフライン、オフという概念はなく現実とも同期する点です。また、現実世界に存在するような制限がなく誰もが参加でき、体験を共有できます。リアルとメタバース間や限定した環境下での交流設定も可能で、異なるプラットフォームの一元化によりコンテンツやスキル、マネーなどの相互移管も行えます。

    結果としてゲームや音楽ライブ、アート、ファッションなど個人、企業が作り上げたさまざまな体験・コンテンツが存在します。そうした環境をベースに企業や個人がメタバース上でモノ・コト・サービスを販売でき、報酬システムによる独自の経済圏が成立しています。

    市場の伸びは著しく、2024年には20年比で65%増の7833億ドル(約90兆円)に達する見通しです。けん引役を担っているのは、メタやエピックゲームズといったグローバル企業によるメタバース関連事業への積極的な投資です。

    親和性が高いNFTとメタバース

    これまでの投資はゲームや音楽といったデジタルコンテンツ領域が中心でしたが、観光産業でもメタバース関連の動きが活発化しています。世界中でホテルを展開するマリオット・インターナショナルは昨年12月、観光促進策の一環として、3つのNFTデジタルアートを公開しました。

    NFTとメタバースは非常に親和性があります。バーチャル空間に存在するアイテムや土地をNFTとして唯一性を持たせることで、売買・マネタイズできるとされています。絵画が数十億円で売買されるケースも珍しくなく、独自の経済圏として発展していくでしょう。

    一方でメタバースが実際に社会で実装されるためには、多くの課題が山積しています。仮想オブジェクトに対する権利の保護や仮想空間内における権利の侵害、違法・有害情報の流通、個人間取引プラットフォームにおけるトラブルなどです。ただ、こうした問題はメタバース特有のものではないだけに、克服できるとみています。


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