診療に加え服薬指導も在宅で 4月から制度整備

    政府が4月から、診療から服薬指導まで在宅で完結できる態勢を構築する。すでにスマートフォンやパソコンを通して医師の診察を受ける「オンライン診療」を初診から可能にしているが、薬剤師が処方された薬の用法や副作用を説明する「オンライン服薬指導」も恒久化するため、31日に省令を改正した。

    首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
    首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

    政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、令和2年4月から特例的にオンライン服薬指導の制限を撤廃している。ただ、原則は初回は対面で行う必要があり、薬局で実施できる件数が限られる制約もあった。

    オンライン診療は初診から対応できるようになっており、服薬指導がネックだった。このため、恒久化に必要な省令の改正などを行い、診療報酬の改定も4月1日に行う。

    これにより、オンライン診療を受けた患者が、処方箋を医療機関から薬局にファクスで送ってもらい、薬剤師の指導もオンラインで受けられるようになる。薬も郵送で受け取れば患者はすべて在宅で済ますことができる。

    岸田文雄首相は社会のデジタル化を加速させるため「デジタル臨時行政調査会」を設置し、規制改革などを進めている。医師会など一部には反発があったが、診療や服薬指導をオンライン化することで、患者は病院や薬局の移動や待ち時間の短縮、地方に住んでいても専門医を受診できるメリットがある。重症化を防止する効果も期待されている。


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