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インドめぐり強まる綱引き 露外相訪印で取り込み強化、米英も高官派遣

【シンガポール=森浩、ワシントン=大内清】ロシアのラブロフ外相は1日、訪問先のインドでジャイシャンカル外相と会談した。ロシアはウクライナ侵攻後の国際的孤立を回避するため、伝統的友好国インドを取り込む動きを強める。米国も日米豪印の枠組み「クアッド」の結束維持に向けインドの対露接近は避けたい考え。インドをめぐり各陣営の綱引きが激しさを増している。

外相会談の冒頭、ラブロフ氏はウクライナ侵攻を念頭に「この状況を一方的ではなく、全体として受け止めていることを評価する」と発言し、インドに感謝の意を示した。ジャイシャンカル氏は「対話と外交による解決が望ましい」とインドの従来の立場を繰り返した。会談ではエネルギー分野での今後の協力などが確認されたもようだ。

インドは旧ソ連時代から武器輸入を通じてロシアと関係が緊密で、ウクライナ侵攻を受けても対露経済制裁は行わず、国連総会や安全保障理事会での非難決議案採決をいずれも棄権した。制裁などで買い手が減ったロシア産原油についてもシタラマン財務相は1日、購入を継続する方針を示した。ラブロフ氏の謝意はこうしたインドの姿勢を受けたものだ。

バイデン米政権はロシアに融和的なインドについて、クアッドの結束を維持する必要から表立った批判を避けている。国務省のプライス報道官は3月31日の記者会見で、印露について「国ごとに関係が異なることは理解しており、それを変えようとは考えていない」と説明した。

ただ、米国はインドのロシア接近にはくぎを刺したい考えだ。31日にインドを訪問したバイデン政権のシン大統領副補佐官(国家安全保障担当)はインドによるロシア産原油輸入の「急激な加速」は望んでいないとの認識を示した。同日には英国のトラス外相も訪印し、インドの外交姿勢に理解を示しつつ、対露制裁の重要性を訴えている。

米国は今月11日にインドと外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催する予定で、特に安保面でインドとの関係を深め、ロシアから引き離したい考えだ。

インドにとり、安保上の課題は国境地帯で緊張が続く中国への対応で、軍備増強の観点から最大の武器輸入元であるロシアとの関係は重要性が増している。一方、中国牽制(けんせい)のために米国などとの関係も軽視できない。ロシアの「力による現状変更」を容認すれば中国が勢いを強める恐れもあるだけに、モディ印政権は難しい立場に置かれている。


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