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デジタルサイネージ広告が回復 コロナ前超えも 外出控えは解消傾向 AI進化も追い風

新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだデジタルサイネージ(電子看板)広告市場が再び注目を集めている。感染症対策と経済活動の両立が進み、外出を極端に控える傾向が解消されるとみられるためだ。人工知能(AI)カメラで年齢層や性別を把握し、それに応じた情報発信が可能なデジタルサイネージも登場。こうした進化もあって、回復が加速し来年にはコロナ前の水準を上回るとの見方もある。人が行き交う空港や駅での展開が活発化している。

東京メトロ丸ノ内線新宿駅の地下通路に並ぶデジタルサイネージ=東京都新宿区(メトロアドエージェンシー提供)
東京メトロ丸ノ内線新宿駅の地下通路に並ぶデジタルサイネージ=東京都新宿区(メトロアドエージェンシー提供)

ANAグループで店舗運営などを手掛ける全日空商事(東京都港区)は、空港向けに65インチ型「トラベルメディア エアポートダイナミックアドビジョン」を展開する。これまで羽田空港をはじめ、長崎空港、宮崎空港など九州4空港と中部国際空港に計32台設置。情報や広告を一斉配信する。

AIカメラを搭載し、デジタルサイネージ前の通過人数や実際に見た人の数も計測可能だ。マスクをしていても、世代や性別などの属性を把握できることから、このデータを空港内施設や周辺店舗などの集客支援に役立てたい考え。

全国一斉発信のほか地域向けも設定。旅行やビジネスで訪れた個々の空港利用客への情報発信も実施し、地域の活性化を後押しする。同社は「全国の空港利用者の7~8割が見ることができる状態を目指す」(広報担当者)とし、設置する空港の拡大を進める。

東京メトログループの広告代理店であるメトロアドエージェンシー(同港区)は、丸ノ内線新宿駅の地下通路の柱に設置した65インチ型20台で構成する「メトロ コンコース ビジョン(MCV)」の運用を3月から始めた。地下通路は、壁にも大型のデジタルサイネージが設置しており、連動して情報・広告発信を行う。

デジタルサイネージは約80メートルにわたって設置。広告展開などは大きなインパクトがあるといい、「新製品や新サービス、新店舗のオープンなどを訴求する上で効果も大きい」(事業担当者)としている。

一方、新たな設置スペースを開拓する動きもある。

デジタルサイネージを自社開発する大日本印刷は東芝エレベータ(川崎市幸区)と提携。昨年10月からエレベーターのかご内にセンサー機能付きカメラを搭載したタイプを設置し、情報発信や広告掲出サービスを始めた。6月からは日立ビルシステム(東京都千代田区)とも実施する。

カメラで属性判断するので、「見る人に合わせた情報や広告を発信できる。見た人数も分かり、広告効果の把握も可能だ」(大日本印刷広報室)という。同社は東芝エレベータ関連で、令和4年度に前年度比3倍強の5000台、日立ビルシステム関連も5年度末までに5000台の設置を目指す。

市場調査会社の富士キメラ総研によると、デジタルサイネージ広告市場はコロナ禍前の元年に830億円規模だったが、外出自粛などの影響で2年に約520億円まで減少した。3年は約620億円まで持ち直し、その後は再び拡大すると予測。5年には960億円と元年を上回り、8年には1400億円に達する見通し。調査担当者は「地域や属性を特定して展開できるという利点が評価されている。新たな設置場所の開拓も進むだろう」と話している。(青山博美)


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