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<独自>教員免許、更新期限を大幅緩和 文科省

今年4~6月に免許更新期限を迎える教員が「必要な講習を受けられない可能性がある」として、文部科学省が期限の大幅緩和を容認したことが2日、関係者への取材で分かった。すでに全国の教育委員会などに通知した。文科省が7月の教員免許更新制廃止を決めたことで、令和4年度の更新講習の規模は大幅縮小。期限内に必要な講習を受けられない教員が出てくる可能性が浮上していた。

現行制度では「やむを得ない理由がある」場合、更新期限を最大2年2カ月延長できる。文科省は今年4~6月に期限を迎える教員を対象に、延長の起算日を後ろ倒しにすることを認め、全国の教委や更新講習を実施する大学などに通知した。ルール緩和で場合によっては最大で3年程度期限を延長できる。

教員免許に10年の期限を設ける更新制に関し文科省は7月1日に廃止することを決めた。関連法案が今国会で成立すれば、7月1日以降が期限の教員は更新する必要がない一方、廃止前の4~6月が期限の教員は、更新手続きを行わなければ免許を失効する。

文科省が4年度の更新講習の開講予定を調査したところ、昨年12月時点で全国約170の大学などが約3万人の受講者受け入れを予定。3年度が300以上の大学などで約20万人の受け入れ枠があったことに比べ、講習の規模は大幅に縮小される。

また、更新には最低30時間の講習を受ける必要があるため、夏休みなどに受講が集中してきた。このため、制度最終年度に期限を迎える教員に制度を厳格運用すると、「期限内に必要な講習を受けることが難しい可能性がある」(文科省担当者)と判断した。

研修新制度、質確保に課題

更新制度を廃止し、文科省が令和5年4月にもスタートさせる新たな教員研修制度。課題となるのは研修の質の確保だ。文科省は、現在の教員免許更新制で実施されている更新講習と、更新制とは別に教育委員会などが行ってきた各種研修などをベースに新たな研修制度を始める予定だが、新制度のもとでは年間どの程度の受講者がいるのかは今のところ不明。新制度に参入する大学が更新制に比べて大幅に減少する可能性があり、質の高いカリキュラムが消滅する可能性もあるからだ。

3年度の更新講習では、全国で20万人以上が受講可能だった。更新制では例年、約10万人の教員が更新手続きの対象になっていて、「一定の受講者が見込めたた」(文科省幹部)ことから、大学などにとっては参入しやすく、更新講習の幅広い受け皿につながっていた。

また、更新制は「教員への負担が大きい」といった批判が目立ったために廃止に追い込まれたものの、更新講習の中には「教員からの評価が高いものが多く含まれていた」(更新講習を実施していた大学関係者)ことも確かだ。

一方、文科省が検討している新制度では、個々の教員に受講ノルマなどは設けない見込み。つまり、毎年10万人が1人最低30時間受講する更新制では〝市場規模〟の把握が可能だったが、新制度では難しくなる可能性が高い。このため、文科省内では「更新制よりも新制度の受講者が減るのは確実で、更新講習を実施している大学がそのまま新制度でも開講してくれるとは限らない」との見方が強い。

こうした懸念はすでに顕在化している。更新制最終年度となる4年度の講習規模は約3万人と例年の7分の1程度まで縮小される。昨年12月時点では、47都道府県のうち8県で4年度の講習開催予定がゼロと地域格差も生じている。こうした規模の縮小は、更新制が年度途中で廃止になるという事情が大きく影響しているが、今後の市場規模が読めない現状を踏まえて、関係者からは「新制度への参入に二の足を踏んでいる学校がある」との指摘が出ている。

新制度に参入する大学などが更新制に比べて少なければ、内容の劣化を招きかねない。文科省では「新制度の重要性を関係者に周知し、教員育成に実績のある大学などには積極的な参加を呼びかける。リモートなどを積極的に活用して受講のハードルを下げるなど、より充実した制度を構築していきたい」としている。



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