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不動産バブル崩壊で、いまや世界経済のお荷物に…中国経済を迷走させる習近平政権の断末魔

PRESIDENT Online

「5.5%前後の成長目標」に暗雲

2022年、中国共産党政権は、実質ベースで5.5%前後のGDP(国内総生産)成長率を実現する目標を掲げた。しかし、足許の経済状況を見ると、ゼロコロナ政策による主要都市の機能低下などで成長目標の実現はかなり難しそうだ。その要因として、不動産バブルの崩壊、IT先端企業への締め付けの強化、およびコロナ感染再拡大による動線の寸断は大きい。3つのマイナスの要素=三重苦によって、中国経済はこれまで以上に厳しい状況を迎えることが懸念される。

秋に党大会を控える習近平政権は、求心力の低下をなんとしても避けなければならない。そのために、共産党指導部は経済の下支え策を強化するだろう。一方、共産党政権に対する不満の高まりを抑えるため、SNS運営企業への監視を強化することになるだろう。共産党政権は貧富の格差を解消する政策運営を行っているものの、実際には経済成長期待が高い先端分野のダイナミズムをそいでいる。

それは経済運営の効率性を低下させる。また、感染者の増加に対してゼロコロナ対策も徹底せざるを得ない。中国の感染対策は世界経済の供給制約を深刻化させる要因でもある。中国の経済成長率の低下傾向は鮮明化する可能性が高い。それは、世界経済にとって大きなマイナス要因だ。

不動産規制が予想以上に市場を冷え込ませた

中国経済の減速懸念を高める3つの要因の中で、最も深刻なのが不動産バブルの崩壊だ。2008年9月に発生したリーマンショックで世界経済は大きく減速した。その結果、リーマンショックまでの中国の高成長を支えた輸出が減少した。共産党政権は不動産分野での投資を積み増すことによって、高い経済成長率を目指す政策運営を行った。世界的な低金利環境とカネ余りが続く中で、中国国内では不動産価格は上がり続けるとの強気な心理が高まり不動産バブルが発生した。

しかし、いつまでも資産価格が上昇し続けることはない。2022年秋に予定されている党大会で3期続投を目指す習近平国家主席は、不動産バブルが膨張して債務問題が深刻化することは避けなければならない。その考えに基づき、2020年8月に共産党政権は不動産融資規制である“3つのレッドライン”を実施し、バブル潰しに取り掛かった。しかし、3つのレッドラインは共産党政権が予想した以上に不動産市況を冷え込ませ、住宅価格の下落が止まらなくなった。その結果、中国の景気減速は鮮明化している。

恒大集団、佳兆業集団…次々と決算発表を延期

不動産市況は悪化するだろう。足許、上場規則で定められた3月末までに2021年の監査済み決算を公表できない不動産デベロッパーが増えている。主な企業として、中国恒大集団(エバーグランデ)や佳兆業集団(カイサ・グループ)、緑地香港(グリーンランド・ホンコン)、宝龍地産(パワーロング・リアルエステート)などが決算発表を延期した。

デベロッパーの本格的なデフォルトや経営破綻のリスクを低下させるべく地方政府は支援を強化している。その上で、共産党政権は民間の不動産企業を救済するのではなく、資産の切り売りを加速することによって不動産市況を安定させようとしているが、事態は好転していない。

中国不動産セクターから撤退する大手監査法人も出始めた。計算方法にもよるが、中国のGDPの30%近くを占めると言われる不動産関連セクターで企業の資金繰りはさらに悪化し、事業運営に行き詰まる企業は急増する恐れがある。それは経済成長率の低下要因だ。


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