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ヒューマンエラー減らせ 東京消防庁に「安全推進部」新設

東京消防庁は4月、消防や救急の活動での重大事故を防ぐための専門部署「安全推進部」を新たに設置した。新たな部の創設は平成19年の企画調整部以来となるという。約50人体制で構成され、組織を横断し事故原因の検証や再発防止策の充実強化に取り組み、活動中のヒューマンエラー(人為的ミス)を減らすといった安全対策を推進する。

全国初の専門部署

安全推進部の創設は、令和元年に福島県いわき市沖で台風19号の救助活動中に起きた事故が契機になったという。

東京消防庁のヘリコプターでつり上げていた女性=当時(77)=を機体に収容する際、上空約40メートルで誤って落下させ、女性は搬送先の病院で死亡。活動中に手順を誤っていたことが原因と判明した。

また、平成31年には八王子市の火災現場で活動中に消防士1人が建物内に取り残されて殉職する事故も発生。さらに、昨年は渋谷区で現場急行中の消防車が横転する事故も起きた。こうした事故の発生を受け、東京消防庁は、重大事故を生む〝芽〟を摘むには、各担当部門の垣根を越えた安全対策が必要だと判断。部の創設に踏み切った。

部は本部に設置され、安全推進課と安全技術課で組織。装備部や救急部など各担当部門の業務に精通した計47人を集め、これまで縦割りで取り組んできた安全対策を、組織横断的な観点から改善点を探り、対策を練る。

消防の職務上での事故防止に特化した専門部署を設けるのは、全国の消防本部で初の試みだという。担当者は「都民の安全や安心を守り、高めるためにも、職員の安全確保も必要になってくる」と創設の意義を強調する。

外部有識者と連携

安全対策の推進のためには、組織の縦割りの打破のほか、外部の知見も有効になる。

このため、安全推進課では、消防署での具体的な事故対策や実践的な取り組み方法の検討に加え、外部有識者と連携。既存の対策の定期的な評価の実施や、事故原因の究明も行うとしている。

一方、安全技術課は検証実験を通じ、科学的に事故原因や背後要因の分析、安全確保や効果的な活動を行うための研究を担う。昨年度に廃止された東京消防庁の研究機関「消防技術安全所」を課に取り込み、研究技術や業務内容を引き継ぐ形だという。

安全技術課も外部有識者と連携。共同研究にも力を入れ、技術改良などの再発防止策を講じる。

担当者は「重大事故を防ぐためにも、安全性の向上に努めたい」と意気込みを語った。(王美慧)


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