大阪・関西万博公式キャラクターは「愛嬌ある反骨心」の化身か

    2025年の開催まで約3年となった大阪・関西万博。

    公式キャラクターデザインが決まりました

    2025年大阪・関西万博の公式キャラクターとして発表された最優秀作品=22日午後、東京都港区
    2025年大阪・関西万博の公式キャラクターとして発表された最優秀作品=22日午後、東京都港区

    報じるニュース番組などでもインパクトの強さにちょっとどう表現して良いのか迷うようなニュースキャスターの表情が印象的です。「キモカワイイ?」という表現がネット上では飛び交い、盛り上がったのがやはりSNSで、早速このキャラクターを使ったファンアート大喜利で盛り上がっていました

    このファンアートという言葉、英語圏で自然発生したもののようですが、既存のアニメ、ゲームキャラクタ-などに独自のアレンジを加えて加工した漫画などを指すようです。関西だけに“ツッコミどころ“満載というインパクトに対する反応だったのでしょうが、おちょくりながらもこのキャラクターの根っこにある“愛らしさ”(デザイナーの山下浩平氏は絵本作家でもあるとのこと)のおかげか、総じて邪気がない印象と感じます。故岡本太郎氏の1970年大阪万博「太陽の塔」と今回のキャラクターが「ゴジラVSキングギドラ」よろしくバトルする映画ポスター調の作品など特に出色と感じました。

    東京2020オリンピック、ロゴ選定のトラウマ

    キャラクターデザイン選考委員の“ショコタン”こと中川翔子さんが発表会見で「心を奪われて、激しく興奮いたしました」と推薦の理由を力強く紹介したことも、その嫌みのないキャラクターもあってか「ならいいか」と納得した気分にさせられるから不思議なものです。

    すかさず吉村知事も、「親しみやすいキャラクターが選ばれたと思う。」とポジティブに反応し、世間から火の手が上がらないよう機先を制する気配が濃厚です。これはやはり何といっても東京2020オリンピック最初のロゴ選考で佐野研二郎氏の案が一度は選ばれるも、盗用問題などで大炎上し仕切り直し再選考の大騒動を余儀なくされたトラウマが関係者に重くのしかかっているのでしょう。

    選考委員には、先述の中川翔子さんやドラゴンクエストゲームデザイナーの堀井雄二氏などいわゆるグラフィックアート業界以外からも多く加わるなど、オリンピックロゴ(初回)で批判された“うちわ“”密室”選考の批判に対応してもいます。

    1898作品から選ばれた今回の案、最終候補3案の時点で公表され、広く意見を募る念入りなプロセスを経ている部分からもかなりの配慮(警戒感?)が伺え、結果4万件以上の意見が寄せられたとのことですから、市民の声を吸い上げるには十分だったと思います。

    それにしても、それだけの緊張感ある選考過程を経ても、結果、異論を呼ぶようなチャレンジングな案になったことが、何より良かったのではないでしょうか。

    デザインに正解はない

    仕切り直しで決定した東京2020オリンピックの最終ロゴ案、騒動の余韻が冷めやらないことも理由であったと思いますが、洗練されたまとまりの良いものでしたが、一方で“大人しい”印象は否めなかったように思います。

    それは「アンビルド(現実には建てることができない、建たない建築)の女王」とまで言われた故ザハ・ハディド案が一度は選定されながらも、相当な顛末を経て隈研吾案に落ち着いた新国立競技場の印象にも通じることで、結果日本人は良い選択をしたでしょうが、良くも悪くも感性に逆らう部分のある選択を忌避したと感じる成り行きでもあったのです。

    (筆者参考記事)

    何よりも思い出されるのは、1970年大阪万博、殴り合いのけんかにまでして、すでに建築界の権威であった故丹下健三氏設計の万博会場象徴ともなるトラス大屋根を、太陽の塔をデザインした故岡本太郎氏が結局ぶち破ったという逸話です。


    Recommend

    Biz Plus