国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は4日、産業革命前と比べた気温上昇の幅を1・5度に抑えるためには、世界の温室効果ガス排出量のピークを遅くとも2025年以前に迎える必要があると指摘する報告書を公表した。近年、世界の温室ガス排出量は増加傾向にあり、日本を含めた各国に地球温暖化対策強化を促す内容。今後の国際交渉に影響を及ぼしそうだ。
IPCCは気候変動に関する最新の科学的知見を評価する組織で、定期的に報告を更新。今回は第6次報告書の第3弾。更新は8年ぶり。
報告書は「人為的な温室ガス排出量は10~19年、増加し続けた」と指摘。政策強化がなければ排出量は25年以降も増加し「今世紀末までに3・2度の温暖化をもたらす」と警告した。
1・5度を大きく超えないようにするには全ての部門で急速かつ大幅な排出削減が必要で、化石燃料使用の大幅削減や低排出エネルギー源の導入など大規模転換が求められるとした。