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古米配合ブラシ 木製スプーン プラごみ削減知恵絞る

プラスチックごみの削減のため、スプーンやフォーク、歯ブラシなどのプラスチック製品を提供する事業者への規制が強化され、ホテルや飲食店、クリーニング店などが対応に追われている。1日に新たに施行された「プラスチック資源循環促進法」に基づくもので、利用者に負担をかける有料化には抵抗感も強く、素材変更や軽量化などの工夫で乗り切ろうと知恵を絞っている。(橘川玲奈、写真も)

東京都品川区の「第一ホテル東京シーフォート」では1日以降、これまで客室に備え付けていた歯ブラシやヘアブラシ、かみそりをフロント近くに置き、宿泊客に必要なものを取ってもらう形式に変えた。

歯ブラシとヘアブラシには古米などを配合したプラスチックを使い、軽量化も図ったことで、プラスチック使用量を従来の50%以下に抑えた。かみそりの持ち手はサトウキビ配合のプラスチックを採用。包装も紙を含む材料に切り替えた。

運営する阪急阪神ホテルズは直営の計18施設で同様の対応を取っており、担当者は「お客さんの理解が得られないと考え、有料化は見送った。この方法でどの程度減らせるか、様子をみたい」と話す。

一方、京都市下京区の「グッドネイチャーホテル京都」では、予約時に歯ブラシなどの持参を呼びかけた上で、竹製歯ブラシ、木製ヘアブラシ(各200円)などの販売に踏み切った。総支配人の松井美佐子さんは「有料化には葛藤もあるが、環境に配慮したホテルを目指しており、お客さんの理解も進んでいる」と打ち明ける。

クリーニング店のプラスチック製ハンガーや衣類にかぶせるポリ包装も対象となる。中小約5500のクリーニング事業者が加盟する全国クリーニング生活衛生同業組合連合会は、ハンガーやポリ包装の使用そのものを取りやめることは困難と判断。特にポリ包装は「衛生面や品質の保持には必要不可欠」という。

同会によると、すでにハンガーは店舗での回収率が半数程度で、そのうち6~7割程度が再利用されている。担当者は「回収率のさらなる向上にはお客さんの協力も必要」と呼びかける。2月に公表した加盟者向けのガイドブックでは、現在主流の厚さ14ミクロンのポリ包装から約10ミクロンへの切り替えを提案。複数の衣類をまとめた「集合包装」も推奨している。

新型コロナウイルス禍のテイクアウト人気で需要が伸びたスプーンやフォークなどの使い捨て食器は、外食チェーンやコンビニ大手などが再生原料や木製などへの置き換えを進める一方、個人事業主にとっては苦悩の種になっている。

宅配や仕出し中心のカレー店「オーベルジーヌ」(東京都新宿区)は木製スプーンへの移行を検討しているが、4月には間に合わなかった。社長の高橋祐介さんは「木製スプーンは流通している種類が少なく、先端の形がカレーに適さないものもある」と模索を続けている。

業者に見積もりを出してもらった木製スプーンは、プラスチック製より1本1~2円ほど高く、「1本当たりはわずかな金額でも、積み重なれば大きくなる。カレーを値上げするわけにもいかず、店側の負担になる」と漏らす。

影響は製造現場にも及ぶ。使い捨てスプーンなどを製造・販売する「ホウケン産業」(板橋区)では約1年前からプラスチック素材を環境に配慮したものに変え、木製食器の輸入も進めてきた。役員の桑野幸三さんによると、取引業者の意識の変化もみられ、すでに出荷の3割程度が環境に配慮した素材だという。

プラスチック資源循環促進法

プラスチックのスプーンやフォーク、ストロー、歯ブラシ、ハンガーなど12品目を対象に、素材変更や軽量化▽店頭回収▽消費者への意思確認▽ポイント還元や有料化-などの方法で削減を求める。事業者には努力義務があり、年間5トン以上を使用する事業者が十分な対策をせず、命令にも従わない場合、50万円以下の罰金を科す。5トン未満の事業者も取り組みが不十分だと国から指導や助言を受ける場合がある。令和2年7月のレジ袋有料化は、容器包装リサイクル法関連省令の対象。


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