中国遼寧省の地方テレビ局の女性アナウンサーが、同省内での新型コロナウイルス感染拡大を巡り、「気を付けて。理由は言えないけれど」と交流サイト(SNS)で注意喚起したところ、当局の隠蔽を想像させる言論と受け止められ停職処分になった。極端な対応に同情の声が出ている。
6日の香港紙などによると、遼寧省で著名なアナウンサー、朱霞さんは180万人のフォロワーがおり、3月30日、同省瀋陽市皇姑区の感染状況について聞かれ「皇姑区の友人は特に気を付けて、自分を守って。理由は言えないけれど私を信じて」などと呼びかけた。これを受け、瀋陽市当局が感染拡大を隠しているのではないかとの臆測が一部に出た。当時瀋陽市内では皇姑区の感染者が特に多かった。
テレビ局は4月1日「不適切な言論活動を行い社会に悪影響を与えた」として朱さんをアナウンサー職から外す処分を発表した。インターネット上では「普通のことを言っただけ。用意した原稿以外読んではいけないのか」「もう誰も本当のことを言わなくなる」といった当局への不満が相次いだ。(共同)