米議会の上下両院は7日、ロシアに認めている貿易面の優遇措置「最恵国待遇」を撤回する法案を、それぞれ可決した。バイデン米大統領の署名を経て発効する見通し。ウクライナに侵略したロシアへの制裁として、米政府がロシア製品への関税を大幅に引き上げることが可能になる。
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バイデン氏は3月中旬、先進7カ国(EU)や欧州連合(EU)と連携し、ロシアの最恵国待遇撤回などの制裁を発表。議会が法案を審議してきた。
最恵国待遇は、世界貿易機関(WTO)の規定に基づき、関税を低く抑える措置。撤回されれば、ロシアは北朝鮮やキューバなどと同等に扱われる。米政府が従来、無関税や数%だったロシア産品への税率を、数十%に引き上げられる。
法案はロシアの軍事侵攻を支援したベラルーシも制裁対象に含めた。
上院での採決は賛成100、反対ゼロだった。下院でも賛成420、反対3の圧倒的な支持を得た。
また、上下両院は、原油などのロシア産エネルギーを輸入禁止にする法案も可決した。この法案もバイデン氏が署名して成立する見通しだ。
最恵国待遇の撤廃をめぐっては、日本も関連法案を今国会に提出している。(ワシントン 塩原永久)