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中国ワクチン外交陰り 日本国産ワクチン開発急務

日本は新型コロナウイルスワクチンの供給不足解消に向け、「COVAX(コバックス)」を通じた途上国支援を継続している。中国は自国製ワクチンを武器に影響力拡大を図る「ワクチン外交」を展開するが、信頼性などの面から陰りも見えており、日本の取り組みの価値が相対的に高まっている。ただ、日本産ワクチンの開発は依然として実現しておらず、日本が主導的な役割を果たすための喫緊の課題となっている。

日本産ワクチンの開発は実現しておらず、日本が主導的な役割を果たすための喫緊の課題となっている=東京・永田町の首相官邸(酒巻俊介撮影)
日本産ワクチンの開発は実現しておらず、日本が主導的な役割を果たすための喫緊の課題となっている=東京・永田町の首相官邸(酒巻俊介撮影)

「中国製ワクチンは今年に入ってから徐々にニーズが減ってきている」

外務省関係者はこう明かす。米国のファイザー製ワクチンやモデルナ製ワクチンの供給が軌道に乗ってきたことが一因とみられる。政府関係者は「オミクロン株流行の中で何が選ばれるかだ」と話し、有効性や安全性の面から中国製が忌避され始めた結果だとの見方を示す。

日本は昨年6月に初めて開かれたワクチンサミットの共催国で、率先して支援に取り組んできた。日本がこれまで供給したワクチンは、2国間での直接供与も含めてアジアやアフリカ、中東などに対し計約4303万回分に上る。ワクチンだけでなく、保冷設備や運搬用車両を供与するための無償資金協力を実施するなど、ワクチンが確実に行き渡る体制づくりも支援してきた。

国際枠組みを通じた支援に力を入れるのは、国産ワクチンが存在しないことの裏返しでもある。日本が供与するワクチンは1億2千万回分の供給契約を結ぶ英アストラゼネカ製だ。ただ、外国製ワクチンを使った支援では供与の機動性や継続性に不透明さが残る。

3月には塩野義製薬が開発しているワクチンに関し、ファイザー製と同等の有効性と安全性を確認したとする臨床試験(治験)の中間報告を行った。商用供給は5月以降となる見通しだという。外務省幹部は「自前のワクチンがあればまったく違う外交が考えられる」と語る。

一方、国内向けの供給では、政府は3回目接種用として4月中に計約1億回分超を配送する計画を示しているが、接種率が低い若年層の接種促進が課題となっている。(岡田美月)


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