日産自動車は8日、電気自動車(EV)の走行距離を大幅に伸ばせる次世代型の「全固体電池」に関する技術説明会を、オンラインで開催した。電池の性能向上には材料の選定が重要で、米航空宇宙局(NASA)などと連携していると説明。令和10年度までに実用化し、環境車の本命とされるEVの市場で優位に立ちたい考えだ。
EVは1回の充電で走行できる距離が短く、充電時間が長いことが普及のネックになっている。全固体電池はエネルギー密度が高く、実用化できれば充電時間を従来の3分の1に短縮できる。電池の小型化も可能になり、ピックアップトラックなどの大型車でも車両の重量を抑えられるため、幅広い車種をEVにできるという。
日産は現在、総合研究所(神奈川県横須賀市)で全固体電池の研究や試作に取り組んでいる。