eスポーツによる集中力アップを個別に検知 ゲーム依存予防にも 熊本大大学院・九産大が論文

    eスポーツによる認知機能と集中力の変動を個別にリアルタイムで測定する手法として、自律神経の変動をモニタリングする心拍数変動(HRV)指標が活用できる可能性があるという研究結果を、熊本大学大学院先端科学研究部の山川俊貴准教授らのチームが発表した。認知機能や集中力が高まるタイミングを装着可能なウェアラブル測定器で個別に検知することができれば、集中力を高めるツールやゲーム依存の予防など様々な分野へと応用できる可能性があるという。研究論文はデジタル領域の学術論文を掲載する電子ジャーナル「Journal of Digital Life」(ジャーナル・オブ・デジタル・ライフ)で公開されている。

    集中力の高まりを個別に可視化することでゲーム依存の予防につながる可能性も(Getty Images)※画像はイメージです
    集中力の高まりを個別に可視化することでゲーム依存の予防につながる可能性も(Getty Images)※画像はイメージです


    使い方で変わるeスポーツの効果

    eスポーツは今や娯楽として楽しむだけでなく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や統合失調症などの精神疾患やADHD(注意欠如・多動症)の治療など、医療領域でもポジティブな効果が注目されている。一方で、ゲーム依存による睡眠不足や抑うつなどを誘引するネガティブな側面も指摘されており、個人の使い方がその影響を大きく左右する。

    eスポーツがもたらすポジティブな影響については、九州産業大学人間科学部の萩原悟一准教授らが任天堂の人気ゲーム「マリオカート」を使った研究で認知的スキルと集中力が向上する可能性があることを報告している。そのポジティブな効果を個人に最適化する観点から、山川准教授らはeスポーツがプレイヤーの精神状態に与える影響をリアルタイムで個別にモニタリングする手法を検証。ウェアラブル測定器を使用し、eスポーツによって認知機能が向上するタイミングを把握することで、個人に最適化したeスポーツの使い方を導き出せる可能性があるという。


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