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5000円相当の奨学ナプキン配布へ 「生理の貧困」問題で大王製紙「心のケアも」

生理用品が手に入らなくて困っている児童や学生合計1000人に生理用品1年分を無償配布する「奨学ナプキン」のプロジェクトを大王製紙が始めた。応募は5月20日まで。経済的な問題などで生理用品が手に入らない社会課題「生理の貧困」の解消に貢献したい考えだ。同様の施策は地方自治体も行っているが心理的な抵抗感から受取窓口まで行くことをためらう人もおり、同社は「身体だけでなく心のケアも推進したい」としている。

「奨学ナプキン」プロジェクトのイメージ写真(大王製紙提供)
「奨学ナプキン」プロジェクトのイメージ写真(大王製紙提供)

学生世代の12%が入手に苦労

応募者は同社の特設サイトで、生理用品の購入に苦労している理由などを聞くアンケートに回答して申し込む。“奨学生”に決まった1000人には、リニューアルした「エリス」ブランドの昼用・夜用の生理用品セットが6月、10月、来年2月に届く予定だ。送られるナプキンは市場価格で総額4500~5000円相当(税抜き)だという。

厚生労働省が今年2月に行ったインターネット調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降に生理用品の購入・入手に苦労したことがある女性の割合は8.1%だった。

このうち18・19歳は12.9%、20代は12.7%で全体平均を上回り、若い世代が「生理の貧困」に悩まされている実態が浮かび上がった。また、世帯収入300万円未満の層ほど生理用品の入手に苦労した経験があることも分かった。

こうした社会課題を受けたプロジェクトについて、同社のホーム&パーソナルケア部門国内事業部マーケティング本部の小林由佳氏は「コロナ禍で普段通りの生活を送れないときに、われわれベンダー(事業者)にどのようなことができるだろうと考えて始まった企画です」と説明している。

心理的ハードル下げる効果も

同社は、競合にあたる花王の関連会社やユニ・チャームと共同で愛媛県に生理用品を36万枚ずつ寄贈する活動もしている。コロナ禍で生活に不安がある人が、県内の市役所や小中学校などで受け取るという形で消費者の生活支援が行われてきた。

だが、公的機関を通した支援体制においては、個人的かつセンシティブな事情が関係するだけに、窓口を訪れること自体ためらう人が少なくないと指摘されている。企業と個人の間に公的機関が挟まることで大勢の人を対象にした取り組みが可能になるが、本当に支援を必要とする人たちが、心理的な障壁のために“網の目”からこぼれてしまう恐れがあるのだ。

「奨学ナプキン」の狙いの一つがそこにある。生理用品を“奨学生”個人の住所に直接届ける方式であれば、支援を他の人に知られることが起きにくい。

大王製紙ホーム&パーソナルケア部門国内事業部マーケティング本部の出野結香氏は「(生理用品について)だいぶ世の中の考え方が変わりましたが、感じ方は人それぞれ違います。『少し恥ずかしい』と思う人でも利用しやすい仕組みになるよう考えました」と話し、周りの目を気にしてしまう人でも安心して参加してほしいと応募を呼びかけている。


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