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マンションのスラム化はここから始まる…池袋や大塚で大量滞留する「狭小ワンルーム」の末路

PRESIDENT Online

「節税になる」というセールストークを信じて、ワンルームマンション投資に手を出す人が後を絶たない。オラガ総研の牧野知弘さんは「池袋や大塚には住む人が見つからない狭小ワンルームが大量に放置されている。節税目的のワンルーム投資はリスクが高すぎる」という――。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ttatty
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ttatty

※本稿は、牧野知弘『不動産の未来 マイホーム大転換時代に備えよ』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

■不動産マーケットの中で異彩を放つ節税目的の不動産投資

不動産投資というものは、投資しようとする不動産について高い知見と分析力、そしてリスクに対する許容力が必要であることに加え、資金調達、運用、そして出口での売却戦略など様々な変数を冷静に見定めていくものである。

とりわけ最近時は不動産が金融商品化された結果、金融マーケットに巣くう凶暴な投資マネーが不動産マーケットの行方を左右するようになっている。彼らは膨大な資金量をバックにしているが、金融情勢によって始終その姿、態度を変える厄介者だ。

したがって、日本の不動産であっても、海外の金利や為替、経済情勢、政治力学、自然災害なども含めての投資判断が不可欠になってくるのだ。

だが、国内で投資されている不動産は、こうしたプロによる荒っぽい売買だけで構成されているわけではなく、素人投資家がなけなしの銭を握りしめて投資しているケースもあれば、中長期的に所有を続けていくビル大家のような存在もある。

いろいろな顔を持つプレーヤーが跋扈する不動産マーケットの中で、とりわけ異彩を放っているのが、節税を目的とする不動産投資だ。

この投資は不動産を持って運用することで収益をあげていく運用益と売却時の売却益だけでなく、節税することで被相続人が相続人に対して、自身の財産を多くの税金を負担することなく引き継がせようとする目的によるものだ。

■税理士、金融機関、不動産業者の全員が「グル」

相続税を安くすることだけに目が眩むと、肝心の不動産に対するリスクチェックが疎かになる。相続において、土地は路線価評価、建物は固定資産税評価で評価される。それぞれの評価額と時価の差額分が節税になる。

さらに投資を借入金で賄うと、借入元本を相続財産評価額から控除できるので、さらに節税ができる。現金で持っていれば、額面通りに評価されるものが、不動産に形を変えれば、同じ1億円の財産でも、不動産は簿価の数分の1にまで圧縮できてしまう。

不動産は当然運用することで運用益、売却することで売却益も期待できるので、これらをすべて組み合わせれば、大きな収益を得られるというのが不動産を使った相続税対策の醍醐味だ。

こうしたバラ色の節税策は、これを仕組んで儲けようとする者によって広まっていく。仕掛けるのは税理士であり、金融機関であり、不動産業者である。悪い表現をするならば、彼らは全員が「グル」である。

不動産業者は自らが建設したアパートやマンションの売却、あるいは仲介、売った後の賃貸運用の手伝いによる手数料、など儲けの蛇口はたくさんある。

金融機関は投資資金の貸し付けができる。土地建物を担保に入れられるし、アパートやマンション自体が収益を上げてくれるので、安全な貸付で利息収入が得られる。そして税理士は、税理士としての顧問報酬に加えて、業者などからのキックバックを手にすることができる。


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