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GoTo代替「県民割」拡大で観光地の期待と落胆

新型コロナウイルス禍の経済対策で都道府県が実施する住民向けの旅行割引「県民割」をめぐり、今月始まった「北海道・東北」「九州・沖縄」など6つの地域ブロックへの対象拡大に期待と落胆の声が渦巻いている。コロナの感染再拡大への懸念を背景に、東京都や大阪府などの大都市圏が参加を見送っており、観光需要をどこまで押し上げられるかは未知数だ。

県民割は「Go To トラベル」の代替事業として、国が昨年4月に開始。県内旅行に対し、1人当たり宿泊費最大5千円分と、土産物店などで使えるクーポン券最大2千円分の費用を国が補助する。

同11月には隣県まで対象を広げたが、その後のオミクロン株流行を受け、停止する自治体が続出。「ブロック割」は蔓延(まんえん)防止等重点措置の全面解除に伴い、原則ワクチンの3回接種か陰性証明を条件に実施されている。

3月16日に最大震度6強の地震に見舞われた福島県は復興促進のため、県民限定の割引制度を同28日から再開。今月1日に対象を岩手、宮城、秋田、山形、新潟の5県にも拡大した。

福島県会津若松市の旅館「庄助の宿 瀧の湯」では、地震直後の3月19~21日の3連休に予約の約3割がキャンセルされるなどの影響が出たが、県民割の再開とともに宮城や新潟といった他県の宿泊客も増え、週末は予約で埋まった。

斎藤純一会長(72)は「対象地域が増えることで、マーケットが拡大するのはうれしい。自粛していた人たちにも、『もう旅行をしても大丈夫だ』というムードが広がってくれれば」と期待を込める。

一方、直近の感染状況を考慮し、県民割の再開や、ブロック割の参加を見合わせている自治体もある。観光庁によると、ブロック割に参加しているのは11日時点で30道県となったが、観光需要が期待される東京都や愛知県、大阪府といった大都市圏は軒並み慎重姿勢を見せている。

感染者数の下げ止まり傾向がみられる東京都は都民割も含め、国の「Go To」再開の判断と足並みをそろえる構えだ。都内の男子大学院生(22)は「コロナ禍でほとんど旅行に行けていない。都民というだけで割引を受けられないのは不公平に感じる」と不満を口にする。

都庁にも「なぜ再開しないのか」という問い合わせが相次いでいるものの、担当者は「今月24日までは『リバウンド警戒期間』でもあり、感染状況を注視する」と理解を求める。

横浜や箱根などの人気観光地を抱える神奈川県は、東京都を除く「関東」6県とブロック割を実施。宿泊費やクーポン券に加え、鉄道や屋形船、遊覧船などの利用でも最大5割の割引を受けられるサービスを設けた。ただ、箱根の旅行者の約3割は東京都民が占めるといい、関係者は「ブロック割に一定の効果はあると思うが、東京が加わらないのは残念だ」と漏らした。

観光政策に詳しい東洋大の越智良典教授は「東京や大阪など観光客の送り手側が対象外だと、効果が限定的になる可能性がある。自治体ごとの対応にばらつきがあるのも、旅行者目線からすると分かりづらい部分が多い」と指摘する。

その上で「単純に全国展開のキャンペーンを行った方が需要喚起にもなりやすい。各自治体が感染対策を徹底しながら実績を積み、『Go To』の早期再開につなげるのが望ましいのではないか」と述べた。(太田泰)


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