大学生がIRを競う唯一無二のユニークな大会「第6回大学生対抗IRプレゼンコンテスト」

    <優勝 明治大学×シナネンホールディングス株式会社>

    明治大学「Breakouts!」チームのプレゼンワンカット
    明治大学「Breakouts!」チームのプレゼンワンカット

    <8132東証1部>総合燃料商社、非エネ事業など多角化

    ■審査員講評(貝増氏) 気候変動抑制について「逆境エネルギー」という、事業リスクからストレートに踏み込み、同社の取り組みと方向性について説明できていた。「季節性」について上手に分析し、事業戦略によって縮小していくことを示せたこと、(企業側のご厚意の賜物であるものの)コロナ禍で「社長と直で取材」し、プレゼンに反映できたことを評価した。キーパーソンにお話を伺い、書いたレポートは迫力がある。


    参加した学生は「IRは堅苦しいイメージがあったが、企業との活動を通じて、より身近に感じるようになった」と話してくれました。公開情報の数字の扱い方について「正確ではあるが使いづらい。それをどうやってわかりやすく資料・プレゼンに落とし込めるか」が難しく、グラフや数字の見せ方を工夫したといいます。「生の情報を活かし、面白いストーリーで伝えられるか勉強になった。いろいろな場で活かしていけると思う」と意気込みました。

    企業担当者は本コンテスト参加の理由について「CSR活動の一貫として次世代育成を目標とするなか、IRを通じての金融リテラシー向上は貴重な機会だと考えた」一方、「投資に関心のある学生とコミュニケーションをとる機会は少なく、投資に興味を持ったきっかけなど知れ、企業活動にも有意義」とも語りました。学生のプレゼンについて「直面している状況を『逆境』と一言で表現し、立ち向かう背景や施策を一貫したストーリーでプレゼンできていた」と感じ、「厳しいマーケットの状況についても、グラフでみせる姿勢は、自ら発信する立場だと自重してしまうこともあるので、襟を正すきっかけとなった」と話しました。日本のIRについて「日本のマーケットが投資家から見放されつつあることを漠然と感じており、今後、東証の市場再編も控えるなか、マーケット自体の魅力を高めていく必要がある。いち企業としても企業価値を高めるための、努力をしていく」と意気込みました。

    学生×IRの狙い

    学生にとって馴染みのないIR(インベスター・リレーションズ)は、どのように映ったのでしょうか。本大会は、第1回大会以来変わらず、学生が企業のIRの大切さを理解するとともに、そのプレゼンや分析能力を獲得することを通じて、日本の持続的な成長を願うものであります。日本ではIRを投資家向け広報と呼ぶこともあり、その意義・役割・評価について適切に理解されていないのではないかと感じております。経営陣と投資家の間に立ち、コミュニケーションを活性化させ、フィードバックし、良好な関係を築くことで、より良い企業の在り方を考えるプロフェッショナルだと思います。

    このIRの活用・運用の仕方で、企業の評価・競争力は格段に異なってくるでしょう。情報の発信のみならず、対話をし、戦略的に行動することが求められています。そのためには、情報収集能力は当然として、コミュニケーション・プレゼンスキルに加え、法務・財務といった知識まで必要となります。このようにみると、学生にとってIRがより遠い縁のない世界に感じてしまうかもしれません。

    しかし、学生が実際に現役のIR担当者等に刺激を貰い、IR活動に疑問・課題を見出し、自ら実践・改善していくというプロセスを理解することは、企業の役割が多様化するなかで、健全で安定した市場の維持と日本の成長には必要不可欠です。学生がIRについて競う、唯一無二のユニークな大会として、各方面よりご評価・ご支援頂いております。

    <株式会社日本取引所グループ(東京証券取引所)>

    近年、様々な金融商品・金融サービスを享受できる環境が整備される中で、学生に対する金融教育の重要性が高まっています。その観点で、大学生対抗IRプレゼンコンテストの開催は、企業への見方や評価を学ぶ良い機会であると言えます。参加学生においては真剣に取組む姿勢があったため、コロナ禍でも充実した議論や成果物の創出ができました。また、コンテストはオンライン開催であったものの、良い緊張感の中、内容の濃いイベントとなった印象でした。

    <一般社団法人日本IR協議会>

    昨年に続き、コロナ下での開催は、意義深いものになったと感じました。参加なさった企業や学生の皆様にとっても、さまざまな発見や気づきがあったことと思います。業績が見通しにくく対話機会が限られた中での「withコロナのIR活動」は容易ではありません。切れ目なく対話を継続しようとする企業姿勢は、経営の透明性の証であると確信します。受賞したグループはもとより、参加なさった学生の皆様は、投資家の目線とともに企業経営の一端にもふれることができたのではないでしょうか。これから社会に出る皆さんの活躍で、経営の「羅針盤」ともいえるIR活動の質的な向上と拡大を通じて、日本の資本市場ひいては経済全体がさらに活性化することを楽しみにしています。

    <HibikiPathAdvisorsPte.Ltd.(機関投資家)>

    投資判断をする上で重要なポイントを凝縮したプレゼンで、会社発表の開示情報だけでは知り得ない、IR担当者や経営陣との対話を踏まえたアウトプットには学生の方々の熱意を感じました。


    慶應義塾大学・八田潤一郎(はったじゅんいちろう) 法学部政治学科2年。学生投資連合USIC代表。小学生の時に株式投資を始める。三度の飯よりTDnet。最近では、FX、不動産(REIT)、仮想通貨、コモディティ、債券、デリバティブを新たに運用しながら、毎日勉強中。金融を学ぶ「おもしろさ」、投資の「楽しさ」を多くの人に知ってほしいと願う。


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