--カナダの子会社メディカゴの新型コロナウイルスワクチンがカナダ政府に承認された
/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/2FUH2O6FY5PURIQOA6UDDZT7GU.jpg)
「カナダ政府と最大7600万回分を納入する契約を結んでいる。日本でも承認申請し、日本政府とも供給契約について議論していくことになる」
--植物由来のコロナワクチンは世界初だ
「臨床試験(治験)で発熱の割合が非常に低く、安全性は高いのではないか。2~8度の冷蔵で保存できることもメリットだろう」
--供給体制の見通しは
「カナダ・ケベック州で建設中の新工場がフル稼働すれば年間10億回分を製造することができる。現在の工場は設備の増強と製造技術の改良を進めており、カナダ政府と契約している7600万回分については、2024年にそこまで持っていきたい。日本での製造についても検討する必要がある」
--3回目接種と小児への治験はどうか
「ブースター接種(3回目接種)の治験は計画段階だが、早いうちに着手したい。小児の治験に関してはカナダ政府からも要請があり、いきなり乳幼児からではなく年齢が高い小児から段階的に年齢を落とし、最終的に2年半くらいかけることになる」
--ワクチン事業に取り組む意義は
「ワクチン事業の海外展開を見据え、コロナ禍の前にメディカゴ社を子会社化した。植物由来のワクチンの提供は、コロナ克服へ世の中に新たな選択肢を示すという当社の社会的な使命だ」(井上浩平)
◇
うえの・ひろあき 東工大大学院理工学研究科修士課程修了。昭和58年三菱化成工業入社。平成19年田辺三菱製薬発足後、26年執行役員、CMC本部長および創薬本部長を歴任。30年常務執行役員。令和2年4月から現職。愛知県出身。