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新科目「探究」スタート 17年経ってようやく中学受験に追いつく?高校の授業

まず、「理数探究基礎」と「理数探究」がどんな科目なのかを簡単に整理すると―

  • 「理数探究基礎」:理数探究をなぜやるのか、その意義、どうやって実験・観察・調査を進めたらよいのか、発表の仕方などを学ぶ
  • 「理数探究」:数学や理科についての課題を生徒が自分で設定し、観察や実験、調査を通して探究を行い、成果をまとめて発表を行う

言うなれば、「理数探究基礎」は試合を行うための基本スキルを身に付ける段階、「理数探究」は実際の試合を行う段階、という感じだろうか。

中学受検に共通する“スーパーサイエンスハイスクール型”の問題

理数探究は、元々スーパーサイエンスハイスクール(SSH)で行われていた「課題研究」がモデルになっていると言われている。文部科学省からは、SSHの取り組みを元にした「理数探究の事例イメージ」が公開されており、そのなかで「設定した課題」の例として以下の11課題が挙げられている。

  1. ダンゴムシの交替性転向反応はどのようにして起こるか
  2. 酸性~塩基性でムラサキキャベツ液の色を鮮やかに変化させる色素の成分を調べる
  3. 筒をのぞくと見える不思議な模様を調べる
  4. 銅樹のフラクタル成長の規則性を調べる
  5. 周期的に色の変化を繰り返す化学反応について調べる
  6. マツの葉の汚染率は空気中のちりの量の指標となるか
  7. 新生代第四紀の地層から産出する化石を用いて当時の環境を明らかにする
  8. 風洞装置を使って紙飛行機の揚力について調べる
  9. 窓の熱伝導によって夏の夜間の室温を効率的に下げる方法を探る
  10. 金平糖の角(つの)の形成過程の数理モデルを作成する
  11. 新たな二項演算を見いだす

最後の2つのように、なかには高校レベルの数学を前提としなければならない課題例もあるが、最初の課題例である「ダンゴムシ…」を見て、筆者はピンときた。どうピンときたかと言うと―公立中高一貫校の入試問題として課される「適性検査Ⅱ(及びⅢ)」の問題と「理数探究」の課題例との方向性が完全に一致しているのである。

東京都立中学が開校したのが2005年であることを考えると、「17年経ってようやく高校全般に…」との感は強い。

例えば、先の11課題の最初、「ダンゴムシの交替性転向反応」であれば、京都府立園部高校附属中の適性検査や模試などで取り上げられたことがある。また、6番目に挙がっている「汚れた気孔の割合から大気汚染の程度を推定する」という課題も問題集ほかでしばしば目にする。いずれも、小・中学校の自由研究などでは著名なテーマである。

詰まるところ、中学受験・受検との繋がりについて言えば―どの入試科目であっても少なからず中・高校での学習内容に繋がっているものであるが―取りわけ「中学受検(適性検査)に取り組むことは、高校課程の「理数探究」を先取り(疑似体験)することにもなっている」と、俄然気付かされた次第である。

受験指導の現場から】は、吉田克己さんが日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、教育に関する様々な情報をお届けする連載コラムです。受験生予備軍をもつ家庭を応援します。アーカイブはこちら


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