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【アジアの今】ハラルに商機 タイ、サウジへ鶏肉輸出再開

新型コロナウイルス感染拡大の影響による国内経済の低迷に苦しむタイで、輸出の拡大が景気回復の切り札になるとの観測が高まっている。中でも中東の大国サウジアラビアとの約30年ぶりの国交正常化にかける期待は大きく、タイ政府はイスラム教の戒律に従った方法で生産する「ハラル食品」の分野で存在感を高めていく考えだ。

タイの食品大手「チャロン・ポカパン(CP)フーズ」が海外向けに開発した加工鶏肉商品。写真はシンガポール向け(同社提供)
タイの食品大手「チャロン・ポカパン(CP)フーズ」が海外向けに開発した加工鶏肉商品。写真はシンガポール向け(同社提供)

タイとサウジは今年1月下旬、1989年にサウジ王室で起こったタイ人の使用人による宝石盗難事件をめぐって冷え込んでいた国交が正常に回復されたと発表。大使の相互受け入れのほか、航空直行便の就航、交易の拡大、労働者の相互就労再開などで合意した。最低限の外交交渉にとどまっていた両国関係が民間レベルでも解禁されたことを意味した。

これに真っ先に飛びついたのが、タイの主要な産業である鶏肉生産業界だった。国内に生産工場を持つメーカー各社はサウジ食品医薬品庁にハラル認証を申請。このほど国内11工場が認証を取得した。この結果、サウジへの加工鶏肉の輸出再開が可能となり、その第1便約100トンが3月末にバンコク港を出港した。

豚肉を食べず鶏肉を貴重なタンパク源とするサウジは、国民1人当たりの消費量が年間45キロに及ぶ大消費地。その約75%を南米ブラジルから輸入。残りをウクライナなど欧州から調達している。ところがロシアの侵攻を機にウクライナからの輸入が途絶えるようになり、この不足分の確保が急がれていた。

タイ政府は、こうした事態を踏まえ、加工鶏肉の輸出に力を入れることを決めた。積極的に国内メーカーへの支援を進めていく方針だ。サウジでタイ産加工鶏肉の消費が増えれば、隣国のイスラム諸国でもさまざまなハラル食品の受け入れが広がっていくとみられる。世界13位にとどまるタイのハラル食品の輸出規模を早期にトップテン入りさせるのが目標だ。(在バンコクジャーナリスト・小堀晋一)


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