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国際政情不安 貿易保険に中小注目 政府が法改正 不払い・感染症にも対応

ロシアのウクライナ侵攻が続き国際情勢の不透明感が増す中、輸出リスクをカバーする貿易保険に中小企業の注目が集まっている。政府は、貿易保険法を改正し、中小企業が事前に信用状を取得しておけば、輸出先の金融機関が支払い不能になっても損失をカバーする「信用状確認保険」を新設。このほか、感染症リスクにも対応するなど中小企業の海外取引を意識して拡充する。政府は、中小企業の経済活動を停滞させないためにも貿易保険の認知度向上に努める考えだ。

貿易保険は、企業の輸出や投資、融資など海外取引で生じる民間保険で救済できないリスクをカバーするもの。政府が全額出資する日本貿易保険(NEXI)が事業を行う。NEXIによると、貿易保険に関し、ウクライナ侵攻以降、今月6日時点で200件の問い合わせがあり、このうち約4分の1の52件が中小企業からだった。

政府がNEXIに信用状を対象にした保険を新設するのは、日本の輸出の10~20%が信用状を介した輸出とされるからだ。信用状は輸出先の金融機関が不振の現地業者に代わって支払いを約束するもので、大企業に比べて海外での情報収集力に劣る中小企業の利用が多い。だが、特に開発途上国向けの場合、現地の金融機関が発行する信用状の信頼性が乏しいとみなされており、これが中小企業が輸出先を開拓する上でネックとなっていた。

新設の信用状確認保険は、改正貿易保険法に盛り込まれ、8日に参院本会議で可決、成立。7月に施行される見通し。法改正では、プラント建設工事の中断に伴う従業員の退避費など追加費用の対象として従来、戦争や革命、内乱に限定されていたが、新型コロナウイルスといった感染症や自然災害も含めることを盛り込んだ。今後、リスク回避の手段として貿易保険を利用する中小企業が増えそうだ。(那須慎一)


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